ヤリイカとホタテのカルパッチョをスダチで爽やかに シチリアとサルディーニャの島ワインでお出迎え
刺身用のヤリイカと北海道産ホタテをスーパーで購入。それぞれ430円、615円(税込み)。
ヤリイカはベトナム産だったかな。これらをさっぱりとしたカルパチョにすべく、スダチも一緒に(171円)。
私のNoteにはカルパッチョの登場頻度が高い。そう、カルパッチョが大好きなのだ。こんなにおいしいものが創作された由来が気になり調べたところ、諸説あり以下の3つが主なもの。
①イタリアの画家ヴィットーレ・カルパッチョ(1465年頃~1525年頃)が薄切りの生牛肉にパルミジャーノ・レッジャーノをかけた料理を好んだことから、彼の名を取ってカルパッチョと呼ばれているという説、
②彼の独特の赤色を基調とした作風が、皿に並べられた薄切りの生牛肉の色彩に類似しているためにその名があるとする説、
③1963年(1950年の説も)、ヴェネツィアでのヴィットーレ・カルパッチョ生誕500年回顧展の期間中に、同地のレストランで考案された料理との説。
①、②がヴェネツィアの伝統料理であるとの前提に立っているのに対し、本国イタリアで定着している第3の説は、近年の創作料理だとする。信憑性はさておき、歴史の浪漫を感じる①や②を信じることにしたい。
そして日本では生の牛ヒレ肉の代わりに、マグロやカツオ、サケなどの刺身を使用した日本風アレンジのカルパッチョに仕立てられた。発祥国のイタリアでも世界的な刺身ブームの影響を受け、生の魚肉でカルパッチョを作るようになったという。お魚カルパッチョはイタリアに逆輸入されたようだ。
さて、以前にホタテのカルパッチョにイタリアの山岳部トレンティーノ・アルト・アディジェ州のワインを合わせたが、いまひとつの相性だった。
ホタテのカルパッチョ
カルタン, ピノ・グリージョ, アルト・アディジェ, イタリア, 約4,000円(レストラン価格)
相性: ★★☆☆☆
また別の日に本日の鮮魚盛り合わせサラダ(ソースにビネガーとオイルが入っていたのでカルパッチョに近い味)に入っていたイカにイタリア シチリア島の白ワイン(グリッロ品種)を合わせたが、こちらは素晴らしい相性だった。
イカの入った鮮魚のサラダ
ペッレグリーノ, サリナーロ, グリッロ, イタリア シチリア, 2017, 5,800円(レストラン価格)
相性: ★★★★☆
海の食材には海のワインが間違いない。ということで、この日はシチリア島の白ワイン(カタラット、ジビッボ品種のブレンド)とサルディーニャ島の白ワイン(ヴェルメンティーノ品種)にカルパッチョを合わせる。
そして期待通りの相性の良さを見せてくれた。今回のシチリアの白ワインはアロマティックで表現力豊か。タコの足がニュルリと描かれたエチケットがユーモアたっぷりで見た目にも楽しい。それでいて1本1,650 円!カルパッチョひとつなら合わせて2,000円少々で極上のペアリング。
さて、ヤリイカとホタテのカルパッチョとそれぞれのワインの相性について詳しく。
マーレ・マンニュム, クルード・ビアンコ, 2021, 1,650 円
Crudo Bianco Catarratto Zibibbo Mare Magnum
マーレ・マンニュム社は、ワイン生産国・地域の中でも最も卓越した10ヶ国で、自社のブドウを用いてワインを生産し、瓶詰めして幅広くワインを生み出す国際企業。こちらはタコのラベルがインパクトのあるオーガニックワイン。カタラット品種(75%)、ジビッボ品種(25%)を使用。
香りにはアプリコット、パッションフルーツ、グァバ、パイナップル、パパイヤなど南国フルーツ。アカシア、蜜、微かに潮の香りとハーバルなタッチ。パワフルで表現力豊か。
味わいはややまったりとした口当たり、杏露酒のような濃厚で蜜のようなボリューム。酸味は穏やかながら的確にワインを引き締める。余韻にはミネラルのニュアンスや塩味、ほのかに甲高い果実味のニュアンスが入り混じりドライなフィニッシュ。驚愕のコスパ。
ヤリイカのカルパッチョにワインを合わせる。オリーブオイルのフルーティな香り高さとの相性抜群。そこからワインに含まれる潮の香りが繊細なヤリイカの風味を包み、そして旨味、甘みに活力を与える。スダチが余韻を爽やかに。相性: ★★★★☆
ホタテのカルパッチョに。ミルキーでまったりした口当たりのホタテに、滋味豊かな果実味が包み込むように調和。相性: ★★★☆☆
シルヴィオ・カルタ, セレナータ, ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ・スーペリオーレDOCG, イタリア, サルディーニャ, 2021, 13.5%, 2,695円
Silvio Carta, Serenata, Vermentino di Gallura, DOCG. Superiore, Sardinia, Italy, 2021, 13.5%
甘口のレモンリキュール“リモネッロ”でもよく知られる。ヴェルメンティーノ品種、カンノナウに加え、カニュラーリという珍しい品種からもワインを造る。
透明なボトルに映えるややはっきりとした色調。
香りには青みを含むライムの柑橘香、レモン、やや甲高くフレッシュ、香りの奥にほのかに白桃、アンズなどの甘美な香りをほのかに、レモングラスのハーバルなタッチ。
味わいにはフレッシュながらもゆったりとした果実の甘味、やや穏やかな酸味。中盤からキュッとほろ苦さが余韻まで、最後にふっと潮香。あか抜けない甲高い果実味も魅力的。
ヤリイカのカルパッチョに。ワインが含む潮の香りでふわりとつながるが、甲高い果実味が繊細ないかの風味をやや圧迫してしまう。ケンカはしないが。相性: ★★★☆☆
ホタテのカルパッチョに。ワインの甲高い柑橘香とやや強めの潮の香りがホタテのクリーミーでリッチな風味に調和。相性: ★★★★☆