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臨床についてマジメに考えるnote

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マジメな理学療法士が考える臨床アイデアを書いたnoteをマガジンにまとめました。 主に脳卒中への介入戦略を書いています。 記事への質問はTwitterのDMでどうぞ。
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#訪問リハビリ

真実はいつもひとつ!だと思ってませんか?

真実はいつもひとつ!だと思ってませんか?

薬を飲まされて小さくなってしまった高校生がよく言うセリフ。

「真実はいつもひとつ!」

殺人事件の犯人とか、犯人が用いたトリックとか、そういう文脈では正しいと思います。

では、リハビリテーションという文脈ではどうなのでしょうか?

その介入方法、その福祉用具の選択、その環境設定、その退院時期、その介助方法、その動作パターン、その練習方法…

全て、『ひとつの真実』を選べているのでしょうか?

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麻痺側と非麻痺側を比較してはいけない理由

麻痺側と非麻痺側を比較してはいけない理由

セラピストのみなさん、脳卒中のクライアントに麻痺側と非麻痺側を比較させていませんか?

それにはメリットとデメリットがあり、デメリットを把握した上で行うべきだと考えます。

今回は麻痺側と非麻痺側を比較してはいけない理由を解説したいと思います。

脳卒中者のリハ場面において、麻痺側と非麻痺側の比較を行うことは多いです。

その目的は、

■非麻痺側の動きを分析し、真似るようにして麻痺側の動きを促す

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脳卒中のリハは週1回の訪問で良くなるの?

脳卒中のリハは週1回の訪問で良くなるの?

いつも読んでいただきありがとうございます。

今回は『脳卒中のリハ、週1回の訪問で良くなるの?』という疑問に答えたいと思います。

結論から書くと、良くなります。

そして、そのためには、毎日の生活をリハビリテーションとして捉える視点が重要です。

病院勤務の方はイメージしづらいかもしれません。

ですが、病院でのリハビリテーションにも示唆が得られる考えを提示できるかと思います。

週1回しか訪問

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脳卒中の感覚障害は良くなるの?③〜言語を考慮した戦略の提案〜

脳卒中の感覚障害は良くなるの?③〜言語を考慮した戦略の提案〜

前回・前々回のnoteで、脳卒中の感覚障害に立ち向かう戦略を考えてきました。

→前々回のnote

→前回のnote

一連のnoteの中で、『認知過程』というものを考慮し、そのうち『知覚』『注意』『記憶』『判断』までを利用した戦略について説明してきました。

今回は残る『言語』について考えていきたいと思います。

一言で言うと、クライアントなりのカテゴライズから言語を作っていくということが必要

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脳卒中の感覚障害は良くなるの?②〜記憶と判断を考慮した戦略の提案〜

脳卒中の感覚障害は良くなるの?②〜記憶と判断を考慮した戦略の提案〜

前回のnoteでは、脳卒中により生じる感覚障害を改善するための、『注意』と『知覚』を中心とした戦略について書きました。

→前回のnote

その中で『認知過程』というものに触れましたが、『認知過程』には『知覚』『注意』の他に『記憶』『判断』『言語』があります。

今回はこのうち、『記憶』と『判断』にフォーカスし、感覚障害を改善するための戦略について考えたいと思います。

結論を書いてしまうと、複

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脳卒中の感覚障害は良くなるの?①〜注意を利用した戦略の提案〜

脳卒中の感覚障害は良くなるの?①〜注意を利用した戦略の提案〜

脳卒中の症状として目立つのは片麻痺ですが、感覚障害も主要な症状の一つです。

日常生活に復帰する上で、感覚障害は様々な問題を生じることとなります。

今回は感覚障害に対して療法士はどのように介入すべきなのか、考えてみたいと思います。

今回提案するポイントは注意を利用することです。

脳卒中で生じる感覚障害そもそも、脳卒中でなぜ感覚障害が生じるのでしょうか。

上図のように末梢神経が障害された場合

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