思い切って使おう🍇理科の先生向けに数学ツールの紹介
GRAPESで理科教育をもっと楽しくわかりやすく
皆様こんにちは🐰
今日は私の経験をもとに「GRAPES」というソフトウェアの活用方法とその効果について考えてみました🍇
私は高校で物理・化学・生物を教えてきましたが…
今は臨床検査技師の学科で学生をしています💉(←検体採取の実習で採血の訓練を受けている最中)
先生×学生の目線で学び続ける中で…
高校のうちにどんなツールを活用した学習経験があるとその先の道でイイコトあるかなという視点でまとめてみました!
なお詳しい自己紹介はコチラです💕
高校の "数学" を解放しよう
私は理科教師ですが理系クラスの担任や理数科のコース経営をする中で…
数学の授業が実際の生活や仕事でどれだけ役立つのかを考える機会がありました!
数学はそれ自体が 魅力的な学問だと思っています (理工系の大学・大学院での学びから科学教育・理数教育の研究の経験から)
同時に数学は非常に役立つツールです!
理科には数学的な概念を用いたり手法を借りたりすることが不可欠な場面があります!
そういう意味で高校生の学び手には数学を使えて欲しいと思っています🤗
一方で学校の中で生徒の声を聞いてみると… 数学的な難しさはともかく何でも手で書かされる煩雑さにやられている可能性を感じるようになりました😵💫
もちろん数学の先生方には何かしらのこだわりがあるのでしょうが…
一人の理科教師の立場では数学をツールで使える程度であれば習得のしかたは手計算・手描きに必ずしも限定される必要はないと感じます📱
また専門学校で医療系の勉強を始めてから…
概念や原理を理解することの重要性を再認識しつつ…
実習や演習の中でツールを使ってアウトプットしてみてわかる・できる実感を得たうえで本質的な理解を深めるルートもよさそうと体感しています😋
そういう意味で ICT ツールは相性がよく…
これらの可能性を最大限に活用することで効果的な学習ができそうだと思っています🤓
使ってみる中で面白さを発見できることも学び
GRAPES のようなツールを日常の学習で活用することで…
理科やその先の科学・技術の学びは楽しくわかりやすくなると思っています😆
例えば…
生化学や臨床化学に酵素反応の反応速度 $${v}$$ に関するミカエリス・メンテンの式
$${v=\dfrac{V_{max}[S]}{K_{m}+[S]}}$$
($${V_{max}}$$:最大反応速度,$${[S]}$$:基質濃度,$${K_{m}}$$:ミカエリス定数)
というものが出てきます!
化学反応式から必要な定数を置いて微分方程式を立ててこの式を導出することは物理化学の学びとして意味あるものと思いつつ…
初学者にはまず $${V_{max}}$$,$${K_{m}}$$ に適当な値を入れて反応速度のグラフを描かせます!
横軸の変数 $${x}$$ は基質濃度 $${[S]}$$・縦軸の変数 $${y}$$ は反応速度 $${v}$$ とします!
GPAPES はパラメータを設定できるので $${V_{max}}$$ を $${a}$$,$${K_{m}}$$ を $${b}$$ として関数を入力します!
パラメータはとりあえず $${a=1, b=5}$$ くらいにしてみます!
すると教科書のようなグラフが出てくる (←実際やってもらうと結構学生は感動するんですよ😏)
次にパラメータの刻みを $${0.1}$$ くらいにして $${V_{max}}$$,$${K_{m}}$$ の値を変えるとグラフの形はどう変わるかを観察してもらいます!
すると $${V_{max}}$$ が確かに最大反応速度ですから収束していく先の値であることがみてわかります!
(上にずずーっと動いていきます)
ミカエリス定数 $${K_{m}}$$ の方も見てみましょう!
こちらは「$${{S}=K_{m}}$$ のときの反応速度」をいったん計算させることで「$${K_{m}}$$ はグラフのどこを見ているのか」が分かります!
実際に計算してみると…
$${v|_{[S]=K_{m}} =\dfrac{V_{max}K_{m}}{K_{m}+K_{m}}=\dfrac{1}{2}V_{max}}$$
となりますから $${K_{m}}$$ とは最大反応速度の半分の速度となる基質濃度と分かります!
(ここでは最大反応速度をパラメータ $${a(=5)}$$ にしていますからその半分は 2.5 になります)
これで $${K_{m}}$$ が見えるようになりました!
グラフを描くことは以上になりますが…
実際の酵素反応論ではここから酵素と基質の親和性を数字で評価していくとか各種阻害剤を加えた場合の議論とかを進めていきますね!
教科書には "このパターンはこのグラフ" のようになり "微分方程式の理屈は難解" となるとき…
折衷案としてこうしたグラフをいじってみることで学生は "考えること" を "操作すること" に置き換えて学習にちょっと前向きになれるかもしれません!
なのでこうした視覚的な学習は教育者が想定する以上に学習者の理解を得る可能性があります!
そういう意味で教師にとって効果的なツールだと思います!
まずは身近な教育現場で触ってみていただけるとよいのではないかなと思います (自分のところでは合わないなーと思ったら元に戻せばいいだけです)
皆様のお役に立てれば光栄です🥰
それでは… GRAPESの可能性
いろいろな数学ツール (アプリ) を触ってみた中で ⓪そもそも無料なのに ①日本語対応で ②電卓っぽく使えるうえに ③変数を動かせる点に惹かれました😍😍
GRAPESは数学教育のなかでも特に関数のグラフ描画と分析に特化した優れたソフトウェアです!
AI さんに GRAPES の主な特徴と利点をまとめてもらいました:
無料で利用可能:
GRAPESは無料のソフトウェアで,自由にコピー,配布,使用することができます.高校数学カリキュラムに対応:
高等学校の数学カリキュラムで扱われるほとんどの関数のグラフや軌跡を描画し,多角的に分析することができます.多様な機能:
関数のグラフ描画だけでなく,方程式や不等式のグラフ描画も可能です.
また,基本的な機能をストーリーに沿って学ぶことができるため使い方の習得も容易です.教育現場での開発:
大阪教育大学附属高等学校池田校舎の友田勝久教諭によって開発されたソフトウェアであり,教育現場のニーズに即した設計がなされています.オンライン版の提供:
GRAPES-light というオンライン版も提供されており,ブラウザ上で直接利用することができます.
これには関数,関係式,曲線,基本図形などの機能が含まれています.教科書対応:
GRAPES-light では数学 II などの教科書に対応したコンテンツも提供されており,学習内容に沿った活用が可能です.
GRAPESは,その豊富な機能と教育現場での実用性から,数学の授業や自主学習において非常に有用なツールとなっています.
グラフの視覚化や動的な表現が可能なため,生徒の理解を深め,数学的概念の直感的な把握を助けることができます.
また,教師にとっても授業の準備やプレゼンテーションに活用できる強力なツールとなっています.
なお,GRAPES-light は東京書籍さんの web ページでも紹介されています.
GRAPES を利用した数学教育には、以下のような効果があります:
視覚化による理解の促進:
GRAPES を使用することで複雑な関数や方程式を視覚的に表現できます.
これにより生徒は抽象的な数学概念をより直感的に理解することができます.動的な表現による洞察力の向上:
GRAPES の動的な機能を活用することで,パラメータの変化に伴うグラフの変化をリアルタイムで観察できます.
これにより関数の振る舞いや性質についての深い洞察が得られます。探究的学習の促進:
生徒自身が GRAPES を操作することで,数学的な概念や関係性を自ら発見し,探究的な学習が可能になります.多様な数学分野への応用:
GRAPES は関数のグラフ描画だけでなく,幾何学,ベクトル,複素数平面,確率統計など,幅広い数学分野で活用できます.
これにより数学の様々な領域での理解を深めることができます.教材開発と授業改善:
教師が GRAPES を活用して効果的な教材を開発し,授業を改善することができます.
これにより,より分かりやすく興味深い数学の授業を展開することが可能になります。ICTスキルの向上:
GRAPES の使用を通じて,生徒の ICT スキルも向上します.
これは現代社会で重要なデジタルリテラシーの育成にもつながります.国際的な数学教育への貢献:
GRAPES の多言語化により国際的な教育協力活動でも活用されています.
これはグローバルな視点での数学教育の質の向上に寄与しています.
これらの効果により GRAPES を利用した数学教育は,生徒の数学的思考力や問題解決能力を育成し,数学に対する興味・関心を高めることができます.
また教師にとっても,より効果的な授業設計や教材開発のツールとして有用です.
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