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#ノンフィクション小説
エリカの暴露 第3話 「ステマ大作戦」
エリカと萩原が事に及んだあと........
まだ時間が余っていたので、マットの上で萩原に引っ付きながら話をしていると、
「エリカって、もっと人気出ていいと思うんだよね」
萩原が天井を見ながらぽつりと漏らした。
「私もそう思います」
エリカは笑顔で言い返した。
「エリカなら、都内で一番予約が取れないくらいのセラピストになれるよ」
萩原がまじまじとエリカを見て、自信に満ちた口
エリカの暴露 第1話 「女神」
セラピストはどのくらい稼いでいるのだろう?
副業でやっている人が多く、月に1日しか出勤しない人もいれば、週に5日以上出勤する人もいる。
だから平均月収を割り出してもあまり意味はない。
大都市にある一般的なメンエス店では、1人施術に入ればだいたい1万円前後は稼げる。
1日3人接客をすればおよそ3万円だ。
コンスタントに週5日くらい出勤していれば、そこまで売れていないセラピストで
エリカの暴露 第5話 「自殺未遂」
「お店を一緒に出そう」
ある日、萩原がそんな話を持ちかけてきた。
出会ってから1年くらい経った時だった。
萩原の計画では他の店の人気No.1トップセラピストを引き抜いて、有名セラピストのみの店を作るというものだ。
「うん、やりたい!」
エリカはやる気満々で答えた。
今までに本当のトップセラピストしかいない店なんて存在しない。
もしそんな店があったら、相場よりも高い金額を提
エリカの暴露 第4話 「頂点」
一週間後、その客はまたやって来た。
「よく会いに来てくれて嬉しいけど、お金は大変じゃない?」
エリカは懐事情を探るために、気を使うようにして聞いた。
「あまり給料高くないから大変だけど、エリカちゃんのためなら」
客は詰まったような声で言った。
「嬉しい。ありがとう」
エリカはそう言って、キスできるくらいまで顔を近づけたが、相手が唇を寄せてきたところを上手く避けた。
「今日はさ
エリカの暴露 第2話 「運命の出会い」
自分ほどの美貌があれば、すぐに人気になるとエリカは思っていた。
だが、現実はそう甘くなかった。
エリカからすれば、メンズエステで働いている女たちは綺麗でもなんでもない。
「中の下」か良くて「中の中」だ。
それなのに、自分よりも遥かに容姿が劣っていて、太っていて、コミュニケーション能力も低そうな女たちが本指名客を取っていた。
メンズエステの世界にいるから、ちやほやされるような子
明里の暴露 後編 「VS 有名ブロガー」
明里は出勤した事をツイートする為にTwitterを開いた。
すると、AV女優のアカウントの方にダイレクトメッセージが来ているのに気付いた。
「突然すみません、これって明里さんですよね?」
メッセージと共に、Twitterのリンクが貼られていた。
恐る恐るリンク先に飛んでみると、そこには明里の顔が良くわかる画角のハメ撮り動画がアップされていた。
はじめは昔のAVを誰かが流している
明里の暴露 前編 「AV女優の内緒の副業」
明里は金欠で悩んでいた。
AV女優歴はもう15年になるが、熟女と言われる年齢になってからは単価も下がり、高級コールガールとしての仕事もほとんどなかった。
そこで明里は以前出演した、客にエステをしていたら発情してしまったマッサージ嬢というシチュエーションのAVを思い出した。
実際にそんな仕事があるとスタッフが言っていたので、調べてみると、給料が高く、なにより現金日払いが魅力的だった。
えみりの暴露 「よくあるメンエス嬢の1日」
そこは住むのに決して魅力的な物件ではないが、麻布十番の駅から徒歩五分圏内にあるコンクリート打ちっぱなしのデザイナーズマンションであった。
一の橋の交差点から二の橋へ向かう麻布通りを右側へ少し入り込んだあたりで、昼夜問わず、人通りがそれほど多くない。
麻布十番商店街の外れであり、レストランなどが軒を連ねている場所からも少し離れている。
道から見える各階のベランダには生活感がなく、どんな
小百合の暴露 「ポストにあった不穏な白い紙」
まともな客は多くない。
それに、まともなセラピストも少ない。
さらに、まともなオーナーもあまりいない。
全てがヤバイひとたちで回っている業界が、メンズエステと思っても過言ではない。
もちろん、例外もあるが、見つけるのは至極困難だ。
一見まともそうな人間も、裏側を知ってしまえば、異常である。
27歳の小百合は今までいろいろなメンズエステ店を転々としており、三ヶ月前までは恵比
杏里の暴露 「君は地雷」
汐留のメンズエステで働く23歳杏里は、掲示板や口コミサイトで地雷と噂されている。
杏里はソロで活動する地下アイドルである。
といっても、いつもライブに来てくれるファンは3人程度しかいない。
ファンがメンバーよりも2人多いだけだ。
いつか、ももクロのような国民的アイドルになることを夢見ている。
アイドルといっても、杏里はあまり可愛くない。
モアイ像に似ていると言われたこ
ゆりの暴露 第8話 「幻のハリーウィンストン」
それから、ゆりはチビでハゲの客にちょくちょく呼び出されては、狭いビジネスホテルの部屋に連れられてセックスすることになってしまった。
最初は紳士的なひとだと思っていたのに、結局は体目的の獣だったことに気付かなかった自分が情けなく思えた。
愛情なんてひとかけらもなく、ただただ辛いだけで、無感情に相手が言うまま従った。
全てはハリーウィンストンの時計を受け取るまでだ。
時計を受け取った
ゆりの暴露 第7話 「484万円のお礼」
恵比寿のお店で働き出して1年ほど経った秋の頃、四十過ぎと思われるハゲでチビの弱々しい体格の男がやって来た。
その男は魅力的なルックスとは到底言えないが、ディオールのスーツを着ていて、金は持っているように思えた。
「これお土産で買ってきたんだけど、よかったらどうぞ」
男は銀座にある予約しないと買えない空也の最中を渡してきた。
「わー、ありがとうございます」
ゆりは高い声を出して、喜
ゆりの暴露 第6話 「ゴミ箱からコンドーム」
それから数ヶ月して、ゆりは他のセラピストから、ヨレヨレのスーツの客(第五話参照)のことを聞くことになった。
メンズエステのマンションタイプの部屋では、他のセラピストと会うことはよくある。
早番と遅番で同じ部屋を使う場合、入れ替わりの時に顔を合わせるのだ。
ゆりはいつも19時からのシフトなので、同じ部屋を使うことが多く、早番のマリアと挨拶程度に会話を交わす。
彼女は特段顔が可愛いわ
ゆりの暴露 第5話 「退店、そして再び」
泣きながら風俗行為をしてから、一ヶ月も経たずに、ゆりはその店を辞めた。
しかし、昼のまともな職をと探したが、やはり給料が安く感じる。
(9時間働いても1日1万円ももらえない。メンズエステだったら1本つけば1万円貰えるのに…)
メンズエステは神経をすり減らすが、働く時間が自由で、シフトも1週間ごとの提出でよく、嫌な客でもその時間を我慢して頑張るだけで普通の仕事の1日の給料が貰える。