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50音エッセイ

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50音のタイトル(テーマ)で、エッセイを書くことにチャレンジしています。 思いつくまま気の向くまま、うつろう空のように日々の気持ちを言葉に綴っていければと思います。
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#毎日note

「うまく書こうとすると見失う」-エッセイ-

「うまく書こうとすると見失う」-エッセイ-

「うまく書こうと意識し過ぎずに自由に書きたい」という感じのことを、自己紹介でも少し書いていたのですが。

案外、自由って難しいですね。
それに何ていうか……カッコつけすぎたり、型に囚われすぎると、何か空回りしてる感があるというか。
自分でも何だか面白くない感じになってしまう気がするのです。

思い浮かんだ事をそのまま勢いに任せて書くような、そういう文章を書きたいなと思うのですが。
寸前でブレーキを

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「運の要素とゲーム」-エッセイ-

「運の要素とゲーム」-エッセイ-

運の要素がないゲームと言えば、例えばボードゲームで誰もが知ってるものだと、将棋、囲碁、オセロ、チェスetc…

厳密に言えば、先攻か後攻かで有利不利があると言われているので、その辺りは運の要素と言えるかもしれませんが……基本的には相手の手を読み合う思考力の勝負。

小説や漫画などでも、これらのゲームは心理戦や推理、普段は思考を読みずらいキャラクターの心理描写などに使われる事が多いです。

ろくにプ

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「石垣にみる幻想」-エッセイ-

「石垣にみる幻想」-エッセイ-

私が生まれ育った家は傾斜地に建っており、裏庭には自然の石をそのまま積み上げたような大きな大きな石垣がありました。

所どころ苔むした石積みの壁は、長い年月を感じさせるような独特の風格があって、とても心惹かれたものです。

その石垣は、子供時代の私にとって、大好きな遊び場の一つでした。

ある時は、石垣を堤防に見立てて、魚釣りごっこ(長い木の枝に縄跳びか何かのヒモをくくりつけて釣竿代わりにしてました

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「インスピレーション」-エッセイ-

「インスピレーション」-エッセイ-

創作において、思いつきや発想が浮かぶことを『インスピレーションを得る』と言います。

ちなみに、語源であるinspirationを直訳すると『神の啓示に導かれたかのようにひらめいて高まる、精神の働き』『霊感』などの意味。

何となくスピリチュアルな雰囲気をかもしだしていますが「創作の神が降りてきた!」という表現もあるので、まあ似たようなことですね。 

アイデアに行き詰まることは誰にでもありますさ

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「アンティチョークと巡る冒険」-エッセイ-

「アンティチョークと巡る冒険」-エッセイ-

名前を聞いたことはあるけど、ほぼ食べる機会がない食材の一つ「アンティチョーク」。

ヨーロッパではとてもメジャーな食材で、イタリアでは、カルチョーフィと呼ばれて親しまれています。

一時期、イタリア料理にはまり「どうにかして食べてみたい!」と思って、一度だけ入手した事があります。

……が。
実物を見ると、こう……なんていうか。
「本当に食べられるのか?」と困惑するしかない見た目なんですよね。

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「雨の匂い」-エッセイ-

「雨の匂い」-エッセイ-

雨の匂いって感じたことありますか?

特に、強く感じるのは雨の降りはじめの、土やアスファルトの地面から立ち上る独特の香り。

個人的にいい香りだなとか、大好きな匂いだとかまでは思わないのですが。
何となく懐かしいような、どこか切ないような気持ちになります。

私が以前、図書館で働いていた頃のこと。
雨の匂いにとても敏感な先輩がいたんです。
図書館の本は、湿気がとても苦手。
だから、換気のために窓を

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「明日には明日の風が吹く」-エッセイ-

「明日には明日の風が吹く」-エッセイ-

この言葉、昔から大好きで。
座右の銘にしていた時期もあるくらいなんです。

……が、そういえば出典というか、元ネタが何か知らなかったなと思って、最近調べてみました。

そしたら、2つの説が存在するみたいなんですよね。
1つは、講談や落語の言い回しという説。
昭和初期、講談や落語で「明日は明日の風が吹く」との言い回しが取り入れられ、それがことわざとして使われるようになったそうです。

海外にも似た意

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「ああ、無情」-エッセイ-

「ああ、無情」-エッセイ-

「ああ、無情」と聞くと、ヴィクトル・ユーゴーという人の書いた『レ・ミゼラブル』という小説の邦題を思い浮かべる人も多いかもしれません。

結構な大河小説なので、簡単にあらすじを紹介するのは至難の業です。
というか、これに触れちゃうと時代背景の説明とか色々長くなるから割愛! 
気になる人は読んでみて。めちゃくちゃ長いけど( ˘ω˘ )

とりあえず。今回は小説ではなく言葉の意味自体について語らせてくだ

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「足の長いクラゲ」-エッセイ-

「足の長いクラゲ」-エッセイ-

突然ですが、私はクラゲが好きです。
何というかフォルムとか、透明感とか、柔らかさとか、泳いでるんだか漂ってるんだか分からない感じが。

クラゲ展とかやってたら観に行くし、なんなら家でも飼いたいけど流石に世話出来る気がしなくて、リアルな人工クラゲをひたすら求めていた時もありました。(リアル感というか理想の動きをしてくれるものがなくて断念しましたが)。

めちゃくちゃクラゲ好きなのに、一向に名前とか種

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「遊びごころ」-エッセイ-

「遊びごころ」-エッセイ-

私には、どんな状況にあっても、失いたくないなと思ってるものがあります。
それは……「遊び心」。

遊び心というと、不可欠な要素じゃないけど、あれば楽しいというイタズラ的な気持ちのこと。

あるいは、遊びたいと思う気持ちや遊び半分の気持ちを指すことも。

あれは私が小学生に入って間もない頃のこと。
覚えたての文字で、将来の自分に宛てて、短い手紙を書いたことがあります。

「大人になった私へ。
どんな

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