M -第2話「マリア」
真理は明るくて、活発で、少年のように短く切り揃えた軽いショートカットがよく似合う。
いつも優柔不断で、ぼうっとしていて、気の利いたことの一つも言えない和也とは正反対だった。
――違うからこそ憧れたのだろうか。
真理が自分のことを本当に好きなのか、和也には自信がなかった。付き合いだしたといっても、今までの関係から大きくかわったことはない。いったい、どこからが友達で、どこからが恋人なのだろう?
「彼女」に対する思いも、和也にとっては説明し難いものだった。相手が現実の人間じゃない