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2022年2月の記事一覧
「いろイロな色の話」-エッセイ-
子どもの頃。
絵を描くのが大好きで、文房具屋さんで見かけた48色セットの色鉛筆がどうしても欲しくて、おこづかいを貯めて、買った事があります。
でも、眺めてるだけで満足したり使うのが何だか勿体無かったりで、結局いつも使うのは12色の色鉛筆だったんですけどね。
まあでも、そんな感じで。
昔からとても関心のあった、色(color)にまつわる話を少ししたいと思います。
かつて日本には、4色しかなかっ
「行きて帰りし物語」-エッセイ-
大学時代、児童文学の構造論の授業を受けていたのですが、先日部屋を整理していたら、その講義ノートが出てきました。
大事に箱に入れてあったので、よほど思い入れがあったんでしょうね。
というわけで、ちょっと振り返ってみます。
今回の表題「行きて帰りし物語」ですが。
よく好まれる「行って」「帰る」という物語の構造パターンの呼び名です。
(「い」じゃなくて「ゆ」じゃないか!と書いてから気付きました)
「医者選びって難しい」-エッセイ-
お陰様で、これまで生死をさまようような大病や大怪我には縁がないのですが。
これまでの人生で3度ほど、病院にまつわる強烈な思い出があります。
心配症の母に救われた話最初の思い出は、中学生の時。
前の晩からひどい腹痛や熱で、心配した母が仕事を休んで最寄りの内科まで付き添ってくれました。
「まあ風邪か何かの菌がお腹に悪さしたんでしょう。お薬出しておくんで、それで治らなければ3日後に」
と、言われたの
「いぶし銀のような」-エッセイ-
きらきら輝やく銀に、硫黄のすすで曇りをつけると、表面の光沢が失われて、何とも味わい深い灰色になります。
それが「いぶし銀」の元の意味。
銀は時間をかけて燻すほど、渋く奥行きのある味わいとなり、独特の魅力がかもし出されます。
このことから「いぶし銀」という言葉は、きらきらとした華やかさはないけれど、魅力的な物や人などを意味するようになりました。
実力や経験を備えていることが前提の「いぶし銀」と
「急がば泳げ?」-エッセイ-
「急がば回れ」という言葉があります。
『急ぐときほど、慎重にしなければ失敗しかねないので、遠回りなようでも確実な道を行くのがよい』という意味のことわざです。
実は、このことわざ。
滋賀県にある琵琶湖の交通手段にまつわる言葉で、室町時代の短歌が語源になっています。
「もののふの矢橋の船は速けれど急がば回れ瀬田の長橋」
ざっくりと訳すと。
京へ向かうために琵琶湖を渡ろうとしている武士に対して「
「インスピレーション」-エッセイ-
創作において、思いつきや発想が浮かぶことを『インスピレーションを得る』と言います。
ちなみに、語源であるinspirationを直訳すると『神の啓示に導かれたかのようにひらめいて高まる、精神の働き』『霊感』などの意味。
何となくスピリチュアルな雰囲気をかもしだしていますが「創作の神が降りてきた!」という表現もあるので、まあ似たようなことですね。
アイデアに行き詰まることは誰にでもありますさ
「アンティチョークと巡る冒険」-エッセイ-
名前を聞いたことはあるけど、ほぼ食べる機会がない食材の一つ「アンティチョーク」。
ヨーロッパではとてもメジャーな食材で、イタリアでは、カルチョーフィと呼ばれて親しまれています。
一時期、イタリア料理にはまり「どうにかして食べてみたい!」と思って、一度だけ入手した事があります。
……が。
実物を見ると、こう……なんていうか。
「本当に食べられるのか?」と困惑するしかない見た目なんですよね。
「雨の匂い」-エッセイ-
雨の匂いって感じたことありますか?
特に、強く感じるのは雨の降りはじめの、土やアスファルトの地面から立ち上る独特の香り。
個人的にいい香りだなとか、大好きな匂いだとかまでは思わないのですが。
何となく懐かしいような、どこか切ないような気持ちになります。
私が以前、図書館で働いていた頃のこと。
雨の匂いにとても敏感な先輩がいたんです。
図書館の本は、湿気がとても苦手。
だから、換気のために窓を
「明日には明日の風が吹く」-エッセイ-
この言葉、昔から大好きで。
座右の銘にしていた時期もあるくらいなんです。
……が、そういえば出典というか、元ネタが何か知らなかったなと思って、最近調べてみました。
そしたら、2つの説が存在するみたいなんですよね。
1つは、講談や落語の言い回しという説。
昭和初期、講談や落語で「明日は明日の風が吹く」との言い回しが取り入れられ、それがことわざとして使われるようになったそうです。
海外にも似た意