すんどめも信じた道をいく(7)胡蝶の夢を見る。
両脇を緑一色に染めあげた山道は、緩やかな下り坂になっている。私は、敷き詰められた玉砂利をジャリジャリと鳴らしながらそんな山道を歩く。時折、頬を撫でるそよ風が気持ち良くて目を細める。
豊浄殿を出ると、やはり新緑がまぶしい。山の中とはいえ、切り拓かれた山の側面には太陽の光が満遍なく降り注ぐ。
高い陽射しが葉の表面に反射して、山全体が白くかがやく。青葉が放つ反射光は、私の視界の隅々にまで拡がる。こうも陽射しが強いと、落とす影もやはり濃い。
玉砂利を踏み締める音が、心地よく弾む