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詩の作成日記

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2023年11月の記事一覧

時空絵巻 13頁

「進化の果て」

海から目覚め
陸地に上がり
そして空を望み
極寒を闊歩し
灼熱を舞い
森林に叫び
雨に咲き
雷鳴に散る
閃光が大地に降り注ぎ
星が歌い
種が撒かれた
屍を食らい
それは歩み始める

食らい 食われることで知った生命の在り処
どのように動き 呼吸し 心臓を動かし そして生きていくのか
生きていくことは生命の試行錯誤であり
弱き物はより強さを求め
強き物は蹴落とされないような遥かな高

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時空絵巻 25頁 おまけの詩 おまけトーク(お金の使い方)

「動物と人間の隔たり」

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人は人間であり―同時に動物であり
生命であると同時に―一つの輝きである

動物と人間の違いは果てしてどこにあるのか
遺伝子にそれは宿るのか
歴史を紐解けばそれは明かされるのか
それは心か―思考か

精神とは人間のみが持ち得るのか
しかしならばなぜ人は
馬と―犬と―猫と―鳥と―他の動物たちと心を通わせることができうるのか

動物にも心があるのか

彼らを本能

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時空絵巻 24頁 おまけトーク(ちょっと立ち止まって見る)

「悠久の時」

山が山として存在すためにどれ程の時が必要だろうか

川が川として存在するためにどれ程の時を経るだろうか

例えばいつも目にする川
昨日―それはいつもの姿であり
一昨日―そうであっても変わるはずがなく
一年前―変化があったとしても水量くらいだろうか

二年前―三年前―十年前―百年前―千年前―まだそれは川として存在する

二千年前―三千年前―一万年前―十万年前―都市はそこになく―人の姿

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時空絵巻 23頁 おまけトーク(気づいてバランスをとる)

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「命の系譜」

なぜ生き物は生存するのか

灼熱の大地に
極寒の大陸に
深海の暗底に
天空の山脈に

世界が闇に包まれ―絶滅した時代に

彼らは辛酸を舐めることになる
地べたを這い蹲り
地泥を啜り―それでも呼吸をする

小さなその命が生き延びようとするのは本能の為せる業なのか
暗澹と混沌の狭間で必死に自らの命を握りしめたのは――哺乳類という系譜

生き延びた先に―世界に太陽の光が舞

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時空絵巻 22頁 おまけトーク(お金のブロック)

「たとえ生命が異なろうとも」

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ありとあらゆる生命はたとえ姿形が違えども
我らと共にこの世界を生き抜いていることは変わりない

我々人類の祖先は―人が人の形である前の汝は―どこにいる

哺乳類が生まれる前の我らはどんな姿形をしていたのか

我らが蔑み―醜くも忌み嫌われる存在もまた
我らの系譜の何かに関連していたのかもしれない

あるいは慈しみ―愛でるその姿はかつて我らの敵だったのか

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時空絵巻 21頁  おまけトーク(自愛について)

「共に歩むということ―進化」

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あなたが歩くことを欲し―足を求めるのなら
私はあなたの歩める大地を築きましょう

あなたが羽ばたくことを願い―羽根を探すのなら
私はあなたの住まう空を描きましょう

あなたが美しいものを祈り―旅に出るのなら
私は花となってあなたの安らぎを授けましょう

私は命絶える時
あなたは私の欠片を手にし―大地にその種を捲くのです

私はあなたのために生きていま

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薄れゆく思い出は遠い日に見た流れ星だったかもしれない

誰もがあるかもしれない
でも誰でも知ってるわけでもない
秘密みたいな うたがある

大事な人との思い出の場所
一緒に過ごした時間
くだらない話

どれも言葉にしたら陳腐になってしまうから
あえてむやみに言葉にしたりしない

二人だけの秘密
いつか 自分だけの宝物

いつか忘れるのかな
忘れたらなくなってしまうのかな

遠い日々の記憶
いつかの星が輝いた光の跡

影みたいに 昨日みたいに
心の中を残

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時空絵巻 20頁

二十頁

「超越」

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進化とは地続きの大陸を思わせる
あるいは生命に例えるのならそれは大木だ

地続きに地道な変化を得る過程
あるいは枝分かれし多様に富む生命の選択

だがこの大陸は突然に裂け―海に沈み―山を出現させるかもしれない
それは時空を超越して突然に起こる
運命の悪戯か―それとも遺伝子の奇跡か

理論―論理―倫理―理―それらを嘲笑うかのようにそれは
不可避に―どうしようもな

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時空絵巻 19頁

「進退」

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力と引き換えにより強靭な力を得ようとも
しかし大陸が裂け始めた時―大地が決別を選んだ時
―その時にはもう後戻りはできないのだ
寒さを凌ぐにはこの肉体は大きすぎ
暑さに耐えるにはこの力は無意味だった

環境の変化は生命の進化よりも常に前を行くのだ
それは己の影を永遠に踏むことができないことと似ている
影を造るのは太陽であり―大自然の使者なのだ
この使者は死さえも司る
生か

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時空絵巻 18頁

「芽」

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大地に出たのは一つの芽

それはとても小さな芽だった
指先ほどの大きさしかない

そんな状態が何百年と続くなら
誰もこれ以上の成長を期待はしないだろう

しかし自然の育みは人智を超えている
これは何百という年月の幅ではないのだ
何億という幅で成長する幹なのだ

何億年後―その芽から葉が枝分かれし
天を仰いで幹をとなる
そこには幼く弱い姿はどこにも存在しない

誰もが儚いそ

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時空絵巻 17頁

「地球の意志―万物の叡智」

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大地は分かっていたのか
やがて悪魔の鎌が振り下ろされるということを
否―この星の眼が彼方にその姿を見たからこそ
大地は一繋ぎに結ばれたのかもしれない

生命に必要なのは狭き大陸での生存ではない
全ての大地が邂逅する時
生命もまた進化の枝の中に絶望の中でも生き残る可能性を羽根広げることができるのだ

そのためには全ての命がこの広大な大陸で出会わなくてはな

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時空絵巻 16頁

「混沌の果て」

宇宙に光る地球はまるでサファイアのように深海の中を輝き
そして輝く月はダイヤのようにその瞳には映っただろう
しかしその闇の深淵から覗く漆黒の滅びが訪れるのだ
しかしここは宇宙であり―無音の世界であり
誰一人としてその忍び寄る破滅に気がつくものはいなかっただろう

混沌の申し子はサファイアを
赤いパールの如く燃える輝きに変えるだろう

大地では大陸が一繋ぎに結ばれ―その激震と激動は

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時空絵巻 15頁

「生存協奏」

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生命が枝分かれし―食う者と食われる者が生まれた時
強き者が弱き者の命を食らう世界が誕生した

生命の進化がより多様に枝分かれし―やがて競争は協奏へと姿を変える
生命はより生きていくために―個別になりすぎたが故に失ってしまった在り方を
手を携えることにより取り戻そうとしたのかもしれない
競争の中で奏でられる協奏はやがて調和を生み出し―豊かな世界の神秘を生み出すだろう

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時空絵巻 14頁

「たとえ地べたに這い蹲ろうとも」

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沼地に這い蹲り
泥水を啜り
そして汚れながらも喘ぐように呼吸をして
生き延びる
対して風は清らかに流れ
そして光は透き通る

彼の者達は溺れながらその眩さに目を細め
そして手を伸ばしたことだろう

どうか―あの光に近づきたい…と

伸ばした手はしかし―底なしの地に沈んでいく…

彼らは願う―どうか我が身体よ…強くあれ…と

地べたに這い蹲ってでも

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