時空絵巻 19頁

「進退」

before

力と引き換えにより強靭な力を得ようとも
しかし大陸が裂け始めた時―大地が決別を選んだ時
―その時にはもう後戻りはできないのだ
寒さを凌ぐにはこの肉体は大きすぎ
暑さに耐えるにはこの力は無意味だった

環境の変化は生命の進化よりも常に前を行くのだ
それは己の影を永遠に踏むことができないことと似ている
影を造るのは太陽であり―大自然の使者なのだ
この使者は死さえも司る
生かされている生命に勝ち目はない

地球が闇を纏い―光から逃れる繭を作ってしまったかのように
それは地球が蛹になったからなのかもしれない

between

力と引き換えにより強靭な力を得ようとも
(しかし)大陸は(が)裂け始めた(時―)大地が決別を選んだ時
(―その時には)もう後戻りはできない(のだ)
寒さを凌ぐにはこの肉体は大きすぎ
暑さに耐えるにはこの力は無意味(だった)

環境の変化は生命の進化よりも常に前を行く(のだ)
(それは)己の影を永遠に踏むことができないように(ことと似ている)
影を造るのは太陽であり(―)大自然の使者(なのだ)
(この使者)は死さえも司る
生かされている生命に勝ち目はない

地球が闇を纏い(―)光から逃れる繭を作ってしまったかのように
(それは)地球が蛹になったからなのかもしれない

after

力と引き換えにより強靭な力を得ようとも
大地が決別を選んだ時 大陸は裂け始めた

もう後戻りはできない

寒さを凌ぐにはこの肉体は大きすぎ
暑さに耐えるにはこの力は無意味だった

環境の変化は生命の進化よりも常に前を行く
己の影を永遠に踏むことができないように

影を造るのは太陽であり
大自然の使者は死さえも司る

生かされている命は追従するしかない

地球が闇を纏い光から逃れる繭を作ってしまったかのように
地球が蛹になったからなのかもしれない

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