時空絵巻 18頁
「芽」
before
大地に出たのは一つの芽
それはとても小さな芽だった
指先ほどの大きさしかない
そんな状態が何百年と続くなら
誰もこれ以上の成長を期待はしないだろう
しかし自然の育みは人智を超えている
これは何百という年月の幅ではないのだ
何億という幅で成長する幹なのだ
何億年後―その芽から葉が枝分かれし
天を仰いで幹をとなる
そこには幼く弱い姿はどこにも存在しない
誰もが儚いその存在が鉄よりも固く
建物よりも高く聳えるなどとは想像もしなかっただろう
命とはそういうものなのだ
地球が育みし生き残った命は強靭な肉体を持つ恐るべき竜を召喚するだろう
より強く―大きく―力が支配する
絶対的な力だけが生き残る世界が訪れた
だがそれは更なる進化への序章でしかない
between
大地に出た(のは)一つの芽
(それはとても小さな芽だった
指先ほどの大きさしかない)
(そんな状態が)何百年と続く(なら)
(誰も)これ以上の成長を期待はできないだろうか(しないだろう)
(しかし)自然の育みは人智を超えている
(これは)何百という年月の幅ではなく(いのだ)
何億という幅で成長する幹(なのだ)
何億年後(―その)芽から葉が枝分かれし
天を仰いで幹をとなる
(そこには)幼く弱い姿は(どこにも)存在しない
(誰もが)儚い(その)存在が鉄よりも固く
建物よりも高く聳えるなどとは想像もしない(かっただろう)
命とはそういうもの(なのだ)
地球が育む(みし)生き残った命は強靭な肉体を持つ恐るべき竜を召喚する(だろう)
(より強く―大きく―)力が支配する
絶対的な力だけが生き残る世界が訪れた
(だがそれは)それもまた更なる進化への序章でしかない
After
大地に出た一つの芽
何百年と続くなら
これ以上の成長を期待はできないのだろうか
自然の育みは人智を超えている
何百という年月の幅ではなく
何億という幅で成長する幹
何億年後
芽から葉が枝分かれし
天を仰いで幹をとなる
幼く弱い姿は存在しない
儚い存在が鉄よりも固く
建物よりも高く聳えるなどとは想像もできない
命とはそういうもの
地球が育んだ命は生き残り
強靭な肉体を持つ恐るべき竜を召喚する
絶対的な力だけが支配する世界が訪れた
それもまた更なる進化への序章でしかない
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