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Books

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世界中のカフェ、図書館、古本屋、書店で出会って読んだ本たち。 本を持って旅に出て、その土地に合った本を置いて、また新たな本と旅に出る。
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#本

それぞれの性に合った幸福の追求方法【本:死ぬまで男は自分を認めるな、女は幸福を諦めるな】

それぞれの性に合った幸福の追求方法【本:死ぬまで男は自分を認めるな、女は幸福を諦めるな】

アーユルヴェーダ
オイルマッサージや白湯をすする健康法もアーユルヴェーダからきている
人は死を迎えるその瞬間まで「幸福を拡大していくこと」をたったひとつの目的としてとらえている。

「ありがとう」と言われたいのが女
「すごい」と言われたいのが男

女:私のほうががんばっている
男:俺のほうがスゴイ
女:いつも感謝されたい
男:いつも褒められたい
女:今ここの幸せが大事
男:後世に名を残したい

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自立して生きるための働き方改革【本:稼ぐ力~「仕事がなくなる」時代の新しい働き方~】

自立して生きるための働き方改革【本:稼ぐ力~「仕事がなくなる」時代の新しい働き方~】

2023年に出版された本。10年以上経った後、少しの変化は見られつつも、まだ同様の議論を繰り返している風潮はある。

1. 企業に依存しない働き方

現代の日本企業において、「成果を生み出す仕事」の定義が曖昧であることが多い。このため、社員が主体的に働くことが難しくなり、企業に依存する働き方が常態化している。真の自立を目指すならば、たとえ会社に所属していても、個人としてのスキルやキャリアを確立し、

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頭でっかちなだけじゃ、生きてる辞書は作れない【映画:舟を編む】

頭でっかちなだけじゃ、生きてる辞書は作れない【映画:舟を編む】

ほとんどの人に知られていない、南インド在住者向けの小さな図書館があって、もし、そこで専属の図書館員とかになれるのであれば、毎日、来る人もいないけれど、一冊ずつ読んで、紹介していきたい。

「昔はもっと、外に開けていた」

この社会に30年、40年以上住む人々から、5年ほどコロナ禍を経て駐在している方々、そして最近インドに赴任となった、あらゆる人々と話す機会はある。そうはいっても、なかなかそこに就け

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インドが抱えている様々な問題は、地球全体が抱えている問題と同質【本:河童が覗いたインド】

インドが抱えている様々な問題は、地球全体が抱えている問題と同質【本:河童が覗いたインド】

インド旅行記の本は、この世の中にごまんとある。
特にバックパッカー的な、旅人情緒あふれる文章好きにとって、インドは「書きごたえがある」国だと感じる。

インドに来るときに、インド関係の本を20冊(と、旅する度に増える建築や南インド書籍たち)ほど持ってきていたのにもかかわらず、実はオフィスにもミニ図書館があり、なんだかんだ2023年は10冊も読めていなかったのけれど、ようやく、この傑作本『河童が覗い

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深く学ぶためには、ゆっくり学ぶ必要がある【本:RANGE:知識の「幅」が最強の武器になる】

深く学ぶためには、ゆっくり学ぶ必要がある【本:RANGE:知識の「幅」が最強の武器になる】

海外渡航前に、古本屋に本を売りに行こうとして、結局購入することになった本たち。その中に、RANGEという本があって、こちらは一気に読み込み、とにかくメモった一冊。

本文まとめ

知識の「幅」が最強の武器になる

ネルソン・マンデラ
ガンジー
ブッダ

1万時間の法則
意識的な練習(deliberate practice)
どんな分野であっても、専門に特化した練習の時間数がスキルの伸びを決める唯一

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7000㎞離れたタミル語と日本語の旅路【本:日本語の起源、日本語の源流を求めて】

7000㎞離れたタミル語と日本語の旅路【本:日本語の起源、日本語の源流を求めて】

以前、インドで話される言語のうち、ヒンディー語とタミル語とマラヤラーム語を少しまとめていた。

今回は、タミル語が話される南インド、タミルナドゥ州在住の日本人の方に借りた、大野先生の本2冊『日本語の起源』『日本語の源流を求めて』を読んで、タミル語から見る日本語の起源について、歴史を振り返ってみたいと思う。

「皆が普段使っている言葉がよくわかっているかどうかが、とても大事」

言葉を厳密にとらえよ

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子どもの精神的成長を阻害する親の愛というものがある【本:男の勘ちがい】

子どもの精神的成長を阻害する親の愛というものがある【本:男の勘ちがい】

出張でホテル宿泊が続いていたとき、ふと気分転換がしたくなり、旅館にたどり着く。旅館といっても、ゲストハウスのような場所で、1階にコタツつきの共用畳部屋があって、そこにあった本棚に目が留まった。

「これらの本って、お客さんが置いて行ったものですか?それとも、店主が購入されたもの?」

そう店主に聞くと、「結構、お客さんが置いていくものが多いね、あと僕が買ったものもあるよ。本交換もできるから、もし何

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情報がきわめて少ない世界がもつ豊かさ【本:旅をする木】

情報がきわめて少ない世界がもつ豊かさ【本:旅をする木】

東京庭園美術館で、旅の図書館がオススメの本が紹介されていて、そのうちの一冊が石川直樹氏の『極北へ』という本だった。その中で、石川氏がよく語っていた人の中に、星野道夫氏がいた。アラスカを愛し、アラスカに暮らした。そんな氏の『旅をする木』という本を見つけたのは、あるカフェだった。

星野氏は、写真家だけれど、読書家でもあったので、とにかく情景や人々の心境の変化や移り変わりの描写が素敵で、文章を読んでい

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インドからベトナム、そしてタイへ「将来、何をしたら良いかわからない」と悩む人々へ【本:IKIGAI】

インドからベトナム、そしてタイへ「将来、何をしたら良いかわからない」と悩む人々へ【本:IKIGAI】

インドのデリーにある、本屋さんが立ち並ぶ Netaji Subhash Marg 通り。この通りにある、一軒の本屋さんで見つけた IKIGAI という本。この本は、スペイン人のFrancesc Miralles氏とHector Garcia氏が共著し、2016年春に出版された。

思えば、世界に溢れる様々な言葉の中には、その言葉を知る母語話者よりも、言葉の意味を見出して、世界に(再)発信されるもの

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本当の美は内面にある。人格や高い理想や人生の目的に。【本︰インテグラル・ヨーガ】

本当の美は内面にある。人格や高い理想や人生の目的に。【本︰インテグラル・ヨーガ】

心と身体と魂を、結ぶ。ヨーガの語源はユジュ(結ぶ)。何よりも寛容で、「あなたの身体は、誰よりもあなたのことを知っている」と、ヨガのポーズも物事の捉え方も、全てはあなたが心地よいと感じることを。と、常日頃から教えられる。そんな、ヨーガをするすべての人々へ向けた、聖書とも言われる聖者パタンジャリのヨーガ・スートラをまとめた本。

パタンジャリのヨーガ・スートラ

「ヨーガ・スートラ」は、事情に凝縮度が

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自分より先に死んだ者たちと共に生きてみよう【本:昨夜のカレー、明日のパン】

自分より先に死んだ者たちと共に生きてみよう【本:昨夜のカレー、明日のパン】

メルカリで購入したときに、購入本とセットでついてきた本があった。その本が、この『昨夜のカレー、明日のパン』だった。最初、途中の「山ガール」という章のタイトルに惹かれてそこだけ読んだのもあって、1度読んだだけでは内容を理解するに至らず、2度読み。

ある一人の家族の死を通して、その人の取り巻く環境や拡張家族やそれぞれの人生を浮かび上がらせる構成。

中華料理を食べた後の、杏仁豆腐

一人暮らし
風船

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恋人未満、家族以上【本:袋小路の男】

恋人未満、家族以上【本:袋小路の男】

絲山秋子、1966年
天文学的確率、作家、文芸誌の賞に応募する、それしか道はないよ

「もっとゆたかな愛は、時の仲裁に服するものである」
「私の味方は時間だ」

何日も何十時間も、私は物語をした。

漫画喫茶、環状線、止まらない時計

「涙にね、ストレス物質が含まれて排出されるんです。タマネギ切ったときの涙とは成分が違うんです」

恋人未満家族以上
一度だけ、あなたの未来を私が借りる
私はあなたの

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競争原理を捨てて、公共の価値を生み出すことを求める【本:オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る】

競争原理を捨てて、公共の価値を生み出すことを求める【本:オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る】

およそ3か月、20時間以上の取材を受けながら、日本とオンラインでつないでディスカッションをしながら作られた著書。

前回、台湾のデジタル担当大臣オードリー・タン氏が出演される前に、こちらの著書も同時に読み進めていた。そして、ようやく、全てを読むことができた。

・部門間を横断する問題をデジタル技術をつかってクリアにしていくことが、デジタル担当政務委員としての私の仕事

・AIは、人類がどういう方向

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最高の友は、私のなかから最高の私を引き出してくれる人【本:一人になりたい男、話を聞いてほしい女】

最高の友は、私のなかから最高の私を引き出してくれる人【本:一人になりたい男、話を聞いてほしい女】

著者のジョングレイ博士は、『ベスト・パートナーになるために―男と女が知っておくべき「分かち愛」のルール 男は火星から、女は金星からやってきた (知的生きかた文庫)』も出版した方。タイトル「一人になりたい男、話を聞いてほしい女」は、非常に端的に、それも的を得たものだと思う。当然、人には男性性と女性性があり、性格も異なり、一人になりたいとき、籠りたいときもあれば、話を聞いて欲しい時もある。大事なのは、

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