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味蕾を鍛えよう♪

食べ物の味を感じ取るのは、舌や口腔内に存在する小さな感覚器官である、味蕾(みらい)で、舌の表面にある乳頭と呼ばれる突起の中に存在します。
味蕾は、約50〜150個の味細胞から構成され、食べ物を口の中で噛んで唾液と混ざることで、化学物質が味細胞に接触し、味覚神経に信号を送ります。この信号が脳に届くことで、私たちは味を感じることができるのです。

成人の舌には、約7,500個の味蕾が存在するとされ、これらは約10日ごとに新しい細胞に置き換わります。
しかし、年齢とともに味蕾の数は減少し、特に高齢者では約5,000個にまで減少することがあります。また、喫煙や栄養不足(特に亜鉛の不足)も味蕾の機能に影響を与えることがあります。

味蕾が感知するの五つの基本的な味は以下になります。

  • 甘味
    甘味は、砂糖や果物に含まれる糖分から感じる味で、甘味を感じると、脳内で快感を引き起こす物質が分泌され、リラックス効果があるとされる。

  • 酸味
    酸味は、酢やレモン、梅干しなどに見られる「すっぱい」味で、腐敗した食物や未熟な果物をに含まれるので、危険を知らせる役割もあるが、食経験を重ねることで好まれる味として認識されるようになる。

  • 塩味
    塩味は、食塩の主成分である塩化ナトリウムから感じる味で、食欲を増進させる役割がある。

  • 苦味
    苦味は、コーヒーやビール、ゴーヤなどに見られる味で、通常は毒物を示すシグナルとして認識される。

  • うま味
    うま味は、グルタミン酸やイノシン酸、グアニル酸などから感じる味で、主に肉や魚、発酵食品に含まれる。

味蕾が基本の五味の感知メカニズムとしては、甘味は、甘味受容体のGタンパク質共役型受容体(GPCR)が、糖と結合すると、細胞内で信号が伝達され、甘味を感じることができます。
酸味は、酸味受容体がプロトンチャネル(Otop1)を介して、酸が細胞内にプロトンを流入させることで感知されます。
塩味は、主にナトリウムイオン(Na+)によって感知され、塩味受容体が、上皮性ナトリウムチャネル(ENaC)を介して、ナトリウムイオンが細胞内に入ることで信号が発生します。
苦味は、25種類以上の異なる苦味受容体が存在し、多様な苦味物質を感知することが可能です。
うま味は、主にアミノ酸(例:グルタミン酸)によって引き起こされ、Gタンパク質共役型受容とうま味物質が結合すると、細胞内で信号が伝達され、うま味を感じることができます。

味蕾を通して基本の五味を、特定の受容体を介して感知する複雑なプロセスは、安全で栄養価の高い食物を選ぶための生体センサーとして機能するとともに、健康的な食生活を維持するために欠かせない要素となります。

【味蕾の鍛え方】

1. 多様な食材を試す。

様々な食材や料理を試すことで、味覚の幅を広げることができ、普段食べないような野菜や果物、香辛料を取り入れることが効果的で、味蕾が新しい味に慣れ、感受性が高まる。

2. 調理方法を工夫する。

同じ食材でも、例えば、蒸す、焼く、煮るなどの方法を試し、調理方法を変えることで異なる味を楽しむことができ、素材本来の味を引き出すことができる。

3. 食事の環境を整える。

家族や友人と一緒に、楽しい雰囲気の中で食事をすることで、味覚へのポジティブな印象が強まり、味蕾が鍛えられる。

4. 繰り返し食べる。

新しい食材や味を繰り返し食べることで、味覚が慣れていき、初めは苦手だった味でも、何度も経験することで受け入れやすくなる。

5. 塩分や糖分を減らす。

過剰な塩分や糖分を減らすことで、味蕾が敏感になり、食事の満足度が上がり、健康的な食生活を促進することができる。

6. 食事をゆっくり楽しむ。

食事を急がず、ゆっくりと味わうことで、味覚をより深く感じることができ、食べ物の味や香りへ集中することで味蕾が刺激され、感受性が高まる。

7. 健康的な生活習慣を維持する。

健康的な食生活や、適度な運動、十分な睡眠を心がけることで、味覚の感受性を保つことができ、ストレス管理や水分補給も重要。

味蕾を鍛えて、より健康的で豊かな食体験を目指したいですね♪


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