青い闇をまっさかさまにおちてゆく流れ星を知っている
朝、白菜を茹でて食べてから、バルコニーで本を読む。
花たちにだけ読み聞かせてやるような細い声で読み上げながら、自分のなかに物語の世界を組み立てていく。
ちょうどトリュフ犬について読んでいるところで、上階の飼い犬がベランダに出てくる。
鳴き声につられて見上げると、干された布団が裾を翻して空に向かって手を伸ばしている。
飛行機が真白な層積雲に呑み込まれてゆく。
寝巻きではすこし肌寒くて、一時間弱で朝の読書の時間はおしまい。
友人の女の子に頼まれていたヘッドドレスをささっと作る。