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査古律 ちよこれいと

長生きできるかはわからないけど、ハピ生きしていこうね。ハッピーバースデー!
旧恋人、現友人、お誕生日おめでとう☆彡



今日は古本屋でお店番。

学生さんがヤスパースを何冊か買っていって、がんばってね、と思ってたら、最後の一冊は図書館戦争だった。学びばかりでなく、楽しみも大切だね。

おじさんはフルトヴェングラーの本とレコードコレクターを買っていった。
好きな音楽をずっと大切にしてね。

涼しくなって、お店に来てくれるお客さんも少しずつ増えてきた。
毎年、秋は誰しも本を読んでみたくなるようで、ふだんは見かけないような雰囲気の人たちがたくさんお店にやってくる。
古本屋というあまり目立つことのない枝にも、秋には良い香りを漂わせる花でもつくのかな。
本を買って帰った人たちの日々のなかで、うつくしい色の実がなりますように。



足早に降りてゆく夕陽をお店の窓から眺めていたら、僕も今日の長い夜を共に過ごす本を持ち帰る気になった。

自分のはたらくお店ではなくて、最寄駅にある古本屋に寄って帰る。
詩集の棚をながめていたら、店のおばあさんが気を遣って消えていた照明をつけてくれようとして、あやまってお店の電気をぜんぶ消した。

おばあちゃん、電気、ぜんぶきえてるよー。
弱々しくおばあちゃんに向かって声を投げる。
なんにも聞こえていない様子で、普段からもう少し大きい声出す練習しておかないといけないなと反省する。

帰ってきたおばあちゃんが暗闇の中で、あらまあ、まっくらね、怖かったでしょう。って笑った。
真っ暗闇で、おばあちゃんの姿は見えなかったから、たくさんの本のうねりの奥から知らないひとの声がきこえてきて、言葉の意味もほどけた気がした。

北原白秋のおもひでを買って帰った。
おばあちゃんが、装丁のきれいな本が好きだっていうから、レジに持っていって見せてあげたかった。
あらまあこんな本、どこにあったの?きれいねえ、あら100円、びっくり。って笑っていた。自分のお店やのに。
白秋はチョコレートのことを査古律と書く。おばあちゃんに見せてあげたけど老眼でよく見えなかった。




今日はなんてことない日だったのに、振り返ると長くなっちゃった。

何人かしらない人のかいたnoteを読んだ。
だれかがその日感じたことをフレッシュに受け取れることがすごく面白い。
snsとの距離のとりかたに気をつけないといけないと思いつつも、誰かのnoteを読んでは、幸あれと思っています。

(あとマジでファイヤーのれっかのまいが最強やなと思っています。カスミ使いに幸あれ♪)


北原白秋「おもひで 叙情小曲集」
富岡昇「短歌への手引」

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