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チェロ組曲 第3番 ハ長調


今日はお店に人が来なかった。
お花にお水をやっている間にいつもの白い野良猫が遊びにきたけれど、あとは店主と二人きりだった。

蓄音機を出してきて、針を落とす。
いつか円盤に吸い込まれたチェロの音が空間を震わせる。
ちょうどいい回転数を手探りで見つけて、音に合わせてゆっくり頷く。

楽器にあかるいわけじゃないから、チェロを聴いていると宮澤賢治のことを考えずにはいられない。




お昼には窓を開け放した自室で柿を食べた。
咲いたマリーゴールドたちと一緒に風に揺られる。

☆彡☆彡☆彡
柿、母さんがくれました


僕の家は古すぎて網戸がついていなくて(そういうところが気にいって入居を決めた)、風を呼び込みたいときには虫も共に招かないといけない。

バルコニーでハーブを育てて、なるべく虫が寄りつかないようにしてはいるけれど、開放的な昼を過ごした日は大抵夕方に室内で小さな虫を見つける。
同じ部屋で過ごすつもりなら家賃を支払ってほしいと思いながらも一晩の寝床をお貸ししている。

昔手伝ってたアトリエのお皿、もうずいぶん欠けている


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