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桶屋雑記(第1期)

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基本人との関わり方とか小説の話しかしないマガジンです。 毎日更新します。たまに進捗報告になります。
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#眠れない夜に

尊敬する上司から聞いた『気持ちよく仕事をするための秘訣』

尊敬する上司から聞いた『気持ちよく仕事をするための秘訣』

普段の私は堅物で、人懐っこい笑顔とか特に苦手だ。
媚びる、というと聞こえが悪い。
けれど、他人に愛されたいという気持ちは不純じゃないと信じている。
心のどこかで他人への恐れを抱いている。
そのくせ、他人を好きになろうとする。
矛盾しているのは、考える葦の特性だ。

一言で表せば、他人との距離感が上手く掴めない。
あるいは、間合いに入るのが下手、と言うべきか。
だから、noteにものを書き始める少し

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とりとめのない一日のとりとめのない日記も映画なら色づけてくれる。

とりとめのない一日のとりとめのない日記も映画なら色づけてくれる。

在宅勤務のいいところは、通勤がないところだ。
出社となると、いくら早く起きても、
待ち構えるのは人がごった返すラッシュの電車。
情勢のおかげでだいぶ混雑率は低いが、
パーソナルスペースが容易に蹴破られるストレスは尋常じゃない。

その点今日は充実していた。
昨日は、アイアンマンの無印にスパイダーマンの無印を観た。
今日は、出勤前と昼休み、退勤後にスパイダーマン:ホームカミングを観て、
今はAmaz

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好きな作品をオススメしてくれる同期の話と、空想一人遊びの週末。

大学の同期に唐突に勧められたアイアンマンを観た。
彼女のおすすめする作品はハズレがない。
なんで私の好みを知っているんだ。ホラーか?
もちろん、アイアンマンは私の大好きな作品の1つになった。
敵わない。
……実態は私の好みの幅が広いだけなんだろうけど。
そのうえ、あまり作品を知らないから。
8月下旬、私はアベンジャーズシリーズを履修することを決めた。
面白い作品と、面白い作品を推してくれる人にチョ

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【連作短編】襤褸布の彗星・第1回『深夜のコンビニ、未知との遭遇 その1』

【連作短編】襤褸布の彗星・第1回『深夜のコンビニ、未知との遭遇 その1』

 深夜のコンビニは、田舎育ちの若者にとって、大人の階段を昇るのと同じくらい貴重なことで、ぼくもまた、その若者の例に漏れなかった。

 夜天の花曇りを透かせば、淡い金色の、欠けた月と相まみえる。ここ数年で、たちまち入れ替えられたらしいLED電灯のせいで、夜は人の手で汚されたように見えた。

 深夜のコンビニに出向く理由に大層なものなんてない。なくていい。小腹が空いたから夜食目当てで、だったり、口が寂

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【小説】ぬるま湯のようで、愛おしい、私と彼だけの致命的なバグ。

【小説】ぬるま湯のようで、愛おしい、私と彼だけの致命的なバグ。

 休日の6時前だっていうのに、カーテンの外からはぎらぎらとたくましい日差しが降り注いでいる。
 おかげで目覚ましをかけてないのに、ぱっちりと目が冴えてしまった。

 いつもより、陽の光が彩られて見えるのはなぜだろう。
 考えるまでもなかった。
 あの子のおかげだ。

 マットレスのスプリングの上で跳ねてみる。
 ごくわずかな無重力は、きっと私の心を表している。

 窓を開ければ、からっとした夏の風

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