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短歌・歌集

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歌集・短歌・短歌に関係ある日記など。
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2023年3月の記事一覧

メルカリで買った歌集に持ち主の書き込みがありそれも一興

装丁の凝ってる本は本好きの私としては萌えを感じる

短歌連作「春、うれしい」

短歌連作「春、うれしい」

「私って頼られるのよ困るのよ忙しいのよ」でも嬉しそう

金魚すくい救われるのを待たないで人間だから自分で歩く

私もじゃなく私はで生きたいといつもの電車待ちつつ思う

新しい春にしようと思います卒業式の人たちを見て

『平津の坂』(桜井健司氏)を読む。

『平津の坂』(桜井健司氏)を読む。

桜井健司氏の第四歌集である。

作者は証券マンで、音短歌会に所属。
日本詩歌句協会の歌会
(短歌ワークショップ)
で毎回お会いする。

その短歌には長年仕事や短歌に向き合って来た者の凄みがある。

五首選で紹介。

爽やかな一首。

「初夏の両輪」という魅力的なフレーズも
「きらきら」している。

※小さきにルビあり。ちさきと読む。

街でビニール袋が風に煽られて漂っている光景を見かける。

「何

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『苺の心臓』を読む。

『苺の心臓』を読む。

上澄眠氏の歌集『苺の心臓』。

たくさん好きな短歌があったが
紹介しすぎるとネタバレなので
一部だけ紹介。

春風の体温のような生ぬるさを絶妙な比喩で表現した一首。
春の度に思い出しそう。

景のきれいさと、ひかりに濡れるという表現も良い。
おさなごの守られている感が、ひらがな表記と合っている。

色々な思いを抱えつつ日々を過ごす青春、そんなイメージの一首。

その上手く言葉に出来ないやりきれなさ

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歌会での学び 2023年3月25日(土)

歌会での学び 2023年3月25日(土)

歌会の度に、
自分はまだまだ知らない事ばかりだなと思う。

今日の歌会でも

・雪洞がぼんぼりだと知らなかった。
いつか俳句で使いたい。

・全角アケは読者によって可否が分かれる。

・作者無記名の歌会で、作風的にAさんの短歌かと思いきや、最後の作者発表でBさんの短歌だった。

などなど。
色々学びがあった。

今回の経験が、
今後の自作の改良に活きると嬉しい。

『いつも恋して』(水門房子氏)を読む。

『いつも恋して』(水門房子氏)を読む。

分かち書きの短歌が特徴的な
水門房子氏の第一歌集
『いつも恋して』。

内容は甘酸っぱくユーモラスで
読んでいて飽きない。

そのうち五首紹介。

※本文が縦書き・分かち書きなので
横書きになってしまうが
分かち書きで引用して紹介したい。

未来に良いことがありそうだと無意識に思っているのではないか。

「なんとなく」の動作から、作者の性格が伝わってくる。

「花びらむしり」という言い回しが上手い

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家族と自然『回転木馬』(若松昭子氏)を読む。

家族と自然『回転木馬』(若松昭子氏)を読む。

この歌集は親しみやすい。

家族のこと、自然、旅先の景色、日常などが、文語で詠まれている。

色々な題材の短歌がある中で
特に注目したのは
・家族の短歌

・自然の短歌
である。

家族の短歌で印象深かったもの。

日常の一コマから、その家族の雰囲気や旦那様と息子さんの性格が伝わってくる。

ストーブの上に載せたカレー鍋は家族の絆でさらに美味しくなっているだろう。

「ちから」のひらがな表記が、

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歌会の駆け引き-桜バトル-🌸

歌会の駆け引き-桜バトル-🌸

私は焦った。
オンライン歌会の題詠が「桜」で
桜の短歌は手元に二首あった。

一首目は桜について素直に詠んだ歌。
二首目は河津桜の歌だった。

春で忙しい中
題詠の「桜」に合わせて
わざわざ日帰りバスツアーで河津桜を見に行ったのだ。

だから河津桜の方を提出しようと思っていた。

しかしTVで「河津桜特集」が放送されてしまい焦った。

河津桜の短歌を提出したら
他の参加者と被るのではないかと。

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『ショパンの孤独』(福田淑子氏)を読む。-豊かな孤独-

『ショパンの孤独』(福田淑子氏)を読む。-豊かな孤独-

『ショパンの孤独』は
知性とユーモアが光る歌集である。

良い歌が多いが、
選抜に選抜を重ねて五首選で紹介。

美味しいそうなお造りを見て、その魚の過去や経験を感じ、考え、思いやる想像力に豊かさを感じる。

最期に一首として生まれ変わったお造りの魚。

ウクライナの事など、今まさに世界史の節目や転換期ではないだろうか。

戦いが世界史になる辛さや、今こうしている間にも「人を殺める道具」が作られてい

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