もしsupercellの「君の知らない物語」が古典和歌だったら
アニメ「化物語」のED曲として有名な「君の知らない物語」。
私自身、高校生のときにアニメをリアルタイムで見ていたので、とても思い出深い曲です。
今回は、この曲を和歌にしてみることに。
初めて聴いたときから「何これ?めっちゃ良い曲!!」と直感的に惹かれてはいたのです。
しかし、この歳になって初めて知りました。
この曲が「三角関係の歌」だということを…!
「ひとつ隣の君」とは?
これまでは、単なる片思いの歌だと思っていたのです。
もう一人の「恋敵」の存在には、全く気付かず…。
理由は次の歌詞にありました。
皆さん、この「ひとつ隣」ってどういう意味だと思いますか?
私は初めて聴いたときからずっと「すぐ隣」のことだと思っていました。
ところがネットの考察記事を読んでいると、どうやら「ひとり挟んで隣」を意味しているようなのです。
えええ!?そうだったの???
言われてみれば、確かに「すぐ隣」ならわざわざ「“ひとつ”隣」なんて言い方はしないのか…?
でも「ひとり挟んで隣」なら「ふたつ隣」じゃないの??
混乱してきました。
そこでスマホの検索窓に尋ねてみることに。
「ひとつ隣 意味」
…結果、やはり私と同じような疑問を持っている人は少なくないようで。
ヤ○ー知恵袋に「ひとつ隣」の意味を質問するスレッドがいくつかあったのです…!
そしてアンサーには「すぐ隣」派と「ひとつ挟んで隣」派が混在。
改めて、日本語って難しいですね…。
「ひとり挟んで隣」説を採用
日本語としてどちらが正しいかはさておき、歌詞をどう解釈するかは個人の自由です。
そして私は、約10年間の思い込みを捨て「ひとり挟んで隣」説を採用することに。
というのも、その方が文脈的に合っているし、歌詞としても魅力的だと感じたからです。
特に決定的なのが、次のフレーズ。
この「夏の大三角」が、三角関係を示唆しているようにしか見えなくなってきたのです。
そして三角関係であることを前提に歌詞を読み進めると、切なさが何倍にも膨れ上がりました、、!
彦星を探す私
歌詞の中では、仲良しグループで星を見に行くシーンが描かれます。
夏の大三角を探して空を見ますが、彦星が見つかりません。
先ほども触れたように、ひとり挟んで隣の君はとても楽しげです。
おそらく君と私の間には、君の想い人がいるのでしょう。
この「届きはしない」には、2つの意味があると私は思います。
1つは、彦星を見つけても「星に手は届かない」という意味。
そしてもう1つは、彦星を見つけたことを報告したいけれど「君との間に誰かがいるので届かない(話しかけられない)」という意味。
…いやいや、切なすぎる!!泣
今回は、この「届かない切なさ」に焦点をあてて和歌を作ることに…!
「何心なし」=無邪気な
第四句では「何心なし」という古語を使ってみました。
「何気ない、無邪気である」といった意味の形容詞です。
歌詞の最後にあるように、私の記憶には君の無邪気な声がずっと残っているのです。
なぜ君は無邪気だったのか?
それは君に恋をし、そして想いを伝えることなく静かに失恋していた私の物語を、君は知らないから。
…と、タイトル回収されるのですね。
改めて意味を噛みしめながら聴くと、鳥肌が立つほど胸が締め付けられてしまったのでした…!!
をちの空 照る彦星の 及ばぬは
何心なき 君が頬かな
※解説は冒頭のインスタ参照