もし熊木杏里の「誕生日」が古典和歌だったら
毎日その日に生まれた赤ちゃんを紹介するテレビ番組「めばえ」をご存知ですか?
先日、待望の第2子を出産したばかりの私にとって、かなりタイムリーで親近感のあるコンテンツなのですが、、
小さな赤ちゃんが懸命に泣いている姿や、家族の幸せそうな笑顔を見ると、思わず目頭が熱くなってしまいます。
さらに感動を誘うのが、番組のテーマソングとして流れる熊木杏里さんの「誕生日」という曲。
子供ができてから聴くと、無条件に泣いてしまうのは私だけじゃないはず…!笑
今回は優しくて温かい歌声が印象的な、この曲を和歌にしてみました。
何度目かの誕生日を迎えた我が子への歌
改めて歌詞を見ると、生まれたばかりの赤ちゃんに向けた歌ではなさそうな印象を受けます。
どちらかというと、ある程度の物心がついて、何度目かの誕生日を迎えた我が子へ語りかける歌ではないでしょうか。
ケーキのろうそくを吹き消したり、プレゼントやお祝いの言葉を貰ったり…
誕生日の思い出をひとつずつ丁寧に振り返りながら、最後に一番伝えたい大切なメッセージを届ける歌のようです。
一番伝えたいメッセージとは
ではその伝えたいメッセージとは何なのか?
私は、最後のサビにすべて集約されていると思うのです。
人の誕生日を覚えるのって面倒くさい。
そもそもなんで誕生日を祝うんだろう?
たまたまその日に生まれただけでしょ?
なんて疑問に思ってしまう人もいるかもしれません。
しかし妊娠や出産を経験すれば分かります。
この世に生まれることがどれだけ大変で難しくて奇跡のようなことなのか。
たとえ我が子が特別なことを成し遂げなかったとしても、存在そのものが十分おめでたいのだと、親は胸を張って言えるものではないでしょうか。
生まれたばかりの愛しい我が子へ
冒頭で触れた私の第2子は、まだ生まれて数日しか経っていません。
しかし母親にとっては、生き地獄のようなつわりに耐え、みるみる大きくなってゆくお腹の苦しさを乗り越えて、ようやく迎えた命の誕生です。
私のどうしようもない弱音の数々をお腹の中で聞いていた赤ちゃんにとっても、きっと長い10ヶ月だったことでしょう。
ようやく辿り着いたあなたの「誕生日」は、文字通りありがたい奇跡に満ち溢れた特別な日になったよ。
あなたが生きている、ただそれだけで周囲を幸せにしているんだよ。
そんな思いを愛しい我が子に届けるつもりで、言葉を選んでみました。
道のほど 渡りて知るは 我が君の
ただあらむこそ いといみじけれ
※解説は冒頭のインスタ参照