もしMrs. GREEN APPLEの「ダンスホール」が古典和歌だったら
最近、歌番組でよく見かけるバンド「Mrs. GREEN APPLE」。
男性ボーカルの爽やかなハイトーンボイスがとても印象的ですよね。
中でも「ダンスホール」という曲は、フジテレビの情報番組「めざまし8」のテーマソングとして起用され、昨年末の紅白でも披露されました。
今回は、平日の朝に聴きたくなるこの元気な一曲を和歌にしてみることに。
社会人時代に聴きたかった曲
この曲、私が社会人時代に聴いていたらすごく好きになっていただろうなぁ…と感じます。
仕事が上手くいかないとき、この明るい曲調とポジティブな歌詞に、きっと元気をもらえたと思うのです。
ミスして上司に尻拭いしてもらった日。
利害の板挟みになって誰かに恨まれた日。
社会に出て働いていると、日々落ち込んでしまうようなことだらけですよね。
それでも自分で選んだ職場で働けている。
希望した職種に就けている。
そんな見落としがちな幸せに、改めて目を向けよう!と思わせてくれる歌詞ではないでしょうか。
仕事で辛いと感じるのは、たいてい成長している証拠。
なるべく自分らしさを忘れず、笑顔で日々を乗り越えられたら理想ですよね。
育児中の私にはあまり響かず
しかし育児まっただ中の私にとって、この曲はあまりピンと来ませんでした。
歌詞に出てくる言葉の端々に、どうしても違和感を抱いてしまうのです。
たとえば「自分らしくいて」というフレーズ。
多くの女性は妊娠・出産を機に「自分らしさ」と呼べるものを一度ごっそり失うことになります。
仕事、趣味、食の好み、体型、服装、時間の使い方、価値観、性格さえも…。
これは人体の仕組み上、仕方ないことでもありますよね。
「自分らしさ」が何なのか自分でも分からなくなっているとき、「自分らしくいて」と言われても困惑してしまいます。
さらに私の場合、子供がまだ乳幼児ということもあり、誰かに甘えたり恨まれたりするほど、他人と深く関わることがそもそもありません。
そして「幸せを見逃しちゃう」ほど、愛する我が子からもらえる感動や喜びは小さくないのです。
こうして考えると、社会人の頃に共感していたであろう歌詞は、育児中になるとことごとくあてはまらなくなってきます。
ダンスホールで踊るように
そんな今の私でも、いいな!と思える部分がありました。
最も盛り上がるサビのワンフレーズです。
日々思い詰めた顔で育児をするよりも、「いつだって大丈夫」と肩の力を抜いたほうが上手く回ることもあるかもしれません。
それが結果として、子供の成長にプラスになることもありますよね。
大切な我が子のこととなると、つい慎重になりすぎてしまう…。
そんな自分への戒めも込めつつ、ダンスホールで踊るような気持ちで和歌にしてみました。
わづらはず めぐらふことは かたけれど
遊ぶがごとく うち振る舞はむ
※解説は冒頭のインスタ参照