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軽いけど、重い。

沖縄黒糖、昆布、わかめ
軽いけど、重さがあるものたち。

片手で持ち上げられるほど軽いものなのに、
身体を元気にする成分が、ぎゅっと詰まっています。
なんて素敵な食べ物なんでしょう、朝からそんなことを思いました。

そういえば、おばあちゃんは

「のどには黒糖が一番よ」
「海藻を食べたら髪がきれいになるよ」

そんな言葉を添えて、よく食べさせてくれたものです。

当時は、小学生とか中学生の頃です。
肌が少し弱いくらいで、身体に何も困りごとはなかった私はその食べ物の重みが分かりませんでした。

その重さに気づいたのは、大人になってから。上京し、会社員生活を始めた頃でした。社会人としての役割を果たそうとするのと、都会で上手に暮らそうとするのと、資格をとるのと。同時に頑張りすぎてしまった私は、自分の食事に気を遣うことが全くできなくなりました。

勢いでなんとか走ってみたけど、3年目を迎えるときに体調を崩してしまいました。仕事も、生活も「普通に」はできなくなった私は、なんとかして立て直そうとしました。

ある日に強く思ったのは、食べるものを変えなければ、ということ。その時に、おばあちゃんの料理と、そこに添えられた言葉を思い出しました。

ずいぶん前に母親が小包に送ってくれた昆布をおもむろに引き出しから取り出し、水で戻して、切り昆布の炒め物を作りました。そして、白い砂糖ではなくて、沖縄黒糖で味付けをしました。

一人暮らしの狭い台所で、レシピ本を見ながら。出来上がったその味は、かつて食べたおばぁちゃんの味とは少し違っていたけれど、それでも身体がすごく喜んでいるのを感じました。

おばあちゃんの言葉の意味を実感したのはその時だったと思うのです。そして栄養のありがたさも。


軽いけど、重いもの。  


昆布と豚肉を炒め煮のことを「クーブイリチー」といって、沖縄ではよく食します。これはおばぁちゃんに聞いたクーブイリチーのレシピです。











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瑞樹 | 食と科学でWell-being
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