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539.人の書いた文章だけど、どうしても利用したい場合【出版論第2章】新シリーズ「著作者になる!⑰」
👇今回はまじめな著作権。noteのクリエイターさんたちから一番多い、他人の作品を利用する場合のご質問が多いので、以下にまとめて見ました。
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2.人の書いた文章だけど、どうしても利用したい
文章を書いていると、どうしても他の人の著作物だけど利用したいものがあります。また、他の人の著作物だけど、必要がありこの部分だけ利用したいものがあります。このことを「引用」といいます。
そんなとき、著作権法第三十二条に、
「公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない」
というように法律で認められています。
そして、「引用」には三つのお約束と条件があります。
第1の約束(原則)は、
公表された著作物であること原文のまま使用すること。
第2の約束(原則)は、
公正な慣行に合致していること。そして引用が不可欠である。
第三の約束(原則)は、
正当な範囲内であること。そして自分の著作物が主であること。
ではこの三つのお約束(原則)を説明しましょう。
「第一の約束・原則」は、公表された著作物を用いることです。
これは未公表の著作物の場合については、著作者人格権としての公表権との関係が生じます。
つまり、未公表の著作物には公表したくないもの、公表されたくないものもあるからです。そのため、公表されたものという原則があり、これは著作隣接権も同じです。
また、自分の文章の中に他人の文章を引用する場合は、原則として原文のままでなければなりません。
これは自分で勝手にその文章に手を加えたり、修正してしまったりしてはいけないということで、あくまでも原文のままで、しかも必要最小限、自分の著作物に本当に必要な部分です。
これは文章の場合ですが、写真や絵画を引用する場合どうするかといえば、この場合は必要最小限度ではいけません。
たとえば、写真や絵画の一部分だけが必要だからといって、その部分を切り取ることは、著作者人格権の中の同一性保持権の侵害になります。
これは文章やイラストも同じ、勝手に改変してはなりません。
「第二の約束・原則」は、公正な慣行に合致していることです。
これは社会通念に照らし、引用であると認められる場合でなければなりません。たとえば、自分の著作物がなく、ただ単に他人の著作物を転載したにすぎない場合は、引用とすることは認められません。
これは自分の著作物にとってどうしてもその引用が必要不可欠な場合、その引用がないと自分の著作物が成り立たないぐらいの必然性が必要になります。しかし、必要不可欠だからといって引用だらけにするには問題があります。そこで第3の原則があるのです。
「第三の約束・原則」は、正当な範囲内でおこなわれること。これも自分の著作物があるといってもほんのわずかの分量であったり、主たる内容が他人の著作物の転載によって占められている場合は、正当な範囲とはいえません。
これは引用の前提条件として、自分の著作物が主でなければなりません。引用する他人の著作物が主である引用はあり得ません。引用する著作物は従というように、主と従の関係がしっかりと保たれている必要性があります。つまり、引用ばかり多いというのは著作権法第三十二条の引用とはいえません。
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2.著作権を自由に使うためのもうひとつの条件
著作権法第三十条から第五十条は「著作権の制限」として著作権の自由利用に関する規定が設けられています。前頁までの3つの原則によって、これらを守ることによって著作権法第三十二条が適用され、他人の著作物を無料・無断で使えます。
これは公表された著作物に関してあらゆる場合において使用を認めないという著作権者が現われれば、教育上、福祉上困る場合もあったり、それ以外のいろいろな障害が発生する場合もあります。そのために規定として第三十条から第五十条までに「著作権の制限」として記載されているのです。
もちろん、同法五十条では著作者人格権との関係として、人格権に抵触するような使い方は認められないことになっています。
そして、著作権を自由に使うためのもうひとつの条件というのは同法第四十八条引用条件として「出所の明示」があります。
これは引用の三つの原則に加えて、引用した著作物のそばに出所明示をすることです。
出所明示といっても、現実には引用した側がきちんと出所を明示することが意外と守られていません。この条件は文章であっても、写真、漫画、絵画、イラストの引用個所のそばに必ず出所明示をしなければなりません。
(noteの世界ではあまり守られていませんが、訴えられたら困りますね)
これは出所明示の条件はあっても具体的にどこに記載すればよいのかという規定がないため表示方法が統一されていません。しかし、同法四十八条「出所の明示」には、「当該各号に規定する著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない」とあります。
このように引用表示の方法は明確ではありませんが、あまりにもその表示が小さすぎて読みにくかったり、見にくければその表示の意味はありません。つまり、だれが見てもわかる範囲の表示方法が必要となります。
また、学術論文などでよく見かけますが、出版社名、第何版の何章、第何節の何頁掲載などと出所明示を細かくしなければならないケースもあります。しかし、最小限度いかなる場合でも必要なことは「著作者名」「著作物の題号」を入れることが最小限度のものといわれています。
また、引用とは無料・無断でできることをいい、了解を得たものは引用ではありません。ですから、よく「無断引用」という言葉が新聞や雑誌等で使われているが、引用は無断でできることですからその言葉はあてはまらないと考えられます。
どうでしょう。
これらの条件を守りさえすれば、著作権法第三十二条が適用され、いちいち著作者から許可を得なくても無料で無断で自由に勝手に使えることができます。
逆に、この原則を守らなければ引用とはいえず著作権侵害になります。
引用が一番該当するのは文章を中心とした活字関係です。
そのため新聞や雑誌、書籍で一番この引用が活用されていますが、放送関係、映画等の映像関係、広告宣伝関係にはこの引用はすべてあり得ません(しかし、営利を目的としない場合の特例はあります)引用は、「報道、批評、研究その他の場合……」認められているもので営利を目的とした広告宣伝媒体では必ず許可が必要となります。
さらに詳しく知りたい方はこのnoteを見ていただくか、👇の出版案内を参照してください。
それぞれがQ&A形式になっており、著作権を知るためのすべてが、ここに書かれております。きっとお役に立ちますよ。
続く~
文字数4,473文字
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※さて、毎回、過去作品ですが。「noteと著作権・noteの著作権」として、お役に立ちますよう5作品ずつご紹介いたします。もうすぐ600作品超えてしまうとバックナンバーから消えてしまいますので、(自分の「記事」には残ります)消える前に5作品ずつ掲載することにしました。その後は過去記事のバックナンバーマガジンを作成して保存します。それまでお時間がありましたら「著作権の基本編」をお読みください。みなさまのお役に立てば幸いです。
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ラインスタンプ新作登場~
「noteと言う世界」第3章書くnote「出版論」シリーズを始めました。どうか引き続きお読みください。
また、日々、拘束されている仕事のため、また出張も多く、せっかくいただいているコメントのご返事。お問い合わせメール、お手紙等のお返事がかなり遅れています。しかし、必ず読ませていただいていますのでどうかお許しください。
では、また(月)(水)(金)にお会いいたしましょう。
いつも読んでいただいて心から感謝申し上げます。
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※本内容は、シリーズ「noteの世界」というテーマで著作権等を交えて解説、感想及びnoteの素晴らしさをお伝えしていく予定です。
私たちの著作権協会は市民を中心としたボランティア団体です。主な活動は出版と講演会活動を中心として全国の都道府県、市町村の「著作権・肖像権・SNS等を中心」にお伝えし続けています。皆様から頂いた問題点や質問事項そのものが全国で困っている問題でもあり、現場の声、現場の問題点をテーマに取り上げて活動しています。
それらのテーマの一部がこのnoteにしているものです。ぜひ、楽しみながらお読みください。
noteの世界は優れたアーティストの世界です。創作した人たちにはわからないかも知れませんが、それを読む人、見る人、聴く人たちがリアルに反応してくれる場所です。もし、本格的なプロの方々が参入してもこの凄さには勝てないかもしれません。プロもマネのできないnoteの世界。これからも楽しみにして皆様のnoteを読み続けています。
私たち著作権協会では専門的なことはその方々にお任せして、さらに大切な思いをお伝えします。
本内容は、全国の都道府県、市町村、学校、NPО団体、中小企業、noteの皆様、クリエイター、個人の方々を対象としているものです。また、全国の職員研修での講演先のみなさまにもおすすめしています。
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