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ソクラテス「親愛なるクリトンよ、私たちが大切にしなければならないのは、ただ生きるということではなくて、善く生きるということなのだ。」
ソクラテス「親愛なるクリトンよ、私たちが大切にしなければならないのは、ただ生きるということではなくて、善く生きるということなのだ。」 (「クリトン(プラトン)」より) ここではまず、「ただ生きる」と「善く生きる」の違いを明確にしなければなりません。 ソクラテスの言う「善く生きる」とは、己の魂を善きものとしていくことです。 ここで何よりも大事なのは、己の魂が善きものであるかどうかは、己がまず判断すべきものであるということです。 私たちは往々にして、己の魂が善きものである
ソクラテス「君は、アテナイという、偉大なポリス(都市国家)の人でありながら、ただ金銭をできるだけ多く自分のものにしたいというようなことにばかり気を使って、恥ずかしくはないのか。」
ソクラテス「君は、アテナイという、偉大なポリス(都市国家)の人でありながら、ただ金銭をできるだけ多く自分のものにしたいというようなことにばかり気を使って、恥ずかしくはないのか。」 (「ソクラテスの弁明(プラトン)」より) ソクラテスは更にこう続けます。 「魂ができるだけ優れたものになるよう、随分に気を遣うべきであって、それより以上に、もしくは同程度にでも、身体や金銭のことを気にしてはならない。」 「いくら金銭を積んでも、そこから優れた魂が生まれてくるわけではなく、金銭そ
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ソクラテス「死を恐れるということは、諸君、知恵がないのにあると思っていることに他ならないのだ。死を知っているものは誰もいないのに、そしてそれはまた、人間にとって、最も善いものであるかもしれないのに、彼らはそれを恐れているのだ。」
ソクラテス「死を恐れるということは、諸君、知恵がないのにあると思っていることに他ならないのだ。死を知っているものは誰もいないのに、そしてそれはまた、人間にとって、最も善いものであるかもしれないのに、彼らはそれを恐れているのだ。」 (「ソクラテスの弁明(プラトン)」より) 無知の知(不知の自覚)は、哲学に興味のない人であっても一度は耳にしたことがあるでしょうし、それほど難しいものではありません。 まあ、そういうもんだよね、と大抵の人々はすんなりと理解するでしょう。 しかし、
ソクラテス「この男は、知らないのに知っていると思っているが、わたしは知らないから、知らないと思っている。つまり、このちょっとしたことで、わたしの方が知恵があることになるらしい。」
ソクラテス「この男は、知らないのに知っていると思っているが、わたしは知らないから、知らないと思っている。つまり、このちょっとしたことで、わたしの方が知恵があることになるらしい。」 (「ソクラテスの弁明(プラトン)」より) 俗に言う「無知の知」です。 無知の知という言い方は誤解を招くので「不知の自覚」と言うべきである、という意見もありますが、私は別にどっちでもいいだろうと思います。 無知の知とは、一体どういうことでしょうか。 ソクラテスは、更にこう続けます。 「諸君よ、お