ノンマリ連載短編小説 「龍のコインが来て、そして」 #2 メドーサの憂鬱
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『メドーサの憂鬱』
金曜日、朝起きると、髪の毛がもうひどいことになっていた。まるでメドーサみたい。これもあのコインのせい?と少し憂鬱になる。龍の模様が彫られた古いコインが部屋に来てから、なぜかこれまでと違うことが起きるのだ。ベランダに植えてもいないパセリが生えていたり、とか。
髪はどうやってもうまくまとまってくれなくて、そのまま仕事に行かざるをえなかった。出勤すると、マネージャーが無理な仕事を頼んできた。いつもなら黙って引き受けるけど、今日は断固として断ってみた。あ