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ノンマリ連載短編小説 「夢語部(ゆめかたりぶ)」 #10 お化けの整形外科


第十夢
『お化けの整形外科』

お化けにも整形外科があるらしい。お化けらしく顔を変えるのだろうかと考えていたのもつかのま、4年前に亡くなった同級生がお化けになって私の元へ現れた。美しい六つの腕を携えて。

「お化けにとっての整形外科はね、恨めしさを供養する為に行うの」

同級生のその子は、皆から良い子と呼ばれていた。良い子である為に、沢山の人や物を恨めしく思って、お化けになってしまったのだという。その為に、整形外科の先生が六つも腕を増やしてくれたらしい。

「私ね、この腕でしたかったことを全部するわ。まずはエレキギターを弾いてみたいの」

お化けは一人で買い物が出来ないので、彼女が憧れていたという楽器屋さんに二人で言った。彼女は青いボディに銀色のラインが入った美しいギターを買った。

「ありがとう、弾けるようになったら、また一番に化けて出るわ」

生前よりも元気になった彼女を眺めて、私も今のうちにお化けの整形外科を探しておこうと思った。


作:白旗ラメント

★一話先行公開中★
第十一夢『ナイトメアイドル』
https://nonmari.jp/series/s001111/


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