ノンマリ連載短編小説 「夢語部(ゆめかたりぶ)」 #2 マシュマロ賛歌
第二夢
『マシュマロ賛歌』
あるところにマシュマロを神として祀る世界があった。古来、マシュマロは人々の病を治す為に作られた特効薬だったそうだ。その柔らかく甘い物体は、倒れ伏し死を待つばかりの老人を回復させ、まるで18歳の青年の如く若返らせたのだという。
マシュマロ教にもいくつかの派閥がある。白くて柔らかいマシュマロこそが原初であり至高とするスノウ派、火を通して蕩けたマシュマロを崇め奉るマグマ派、その体内にジャムやチョコレートなどを包み込む慈悲に縋りつくオーガニー派、ソフト