ノンマリ連載短編小説 「夢語部(ゆめかたりぶ)」 #6 かくれんぼろうそく
第六夢
『かくれんぼろうそく』
かくれんぼろうそくと言うゲームが、SNSを通じて世界に知られるようになる。スマートフォンのアプリなどではなく、昔から続くかくれんぼの応用版らしい。
(1) 満月が出た夜の翌日、朝露でろうそくを洗う。
(2) 洗ったろうそくにマッチで火をつけ、ろうそくを持ったまま皆で隠れる。
(3)隠れてから30秒数え、鬼に火を消された人から帰らなくてはいけない。
簡単なゲームだが火を使うので、流行ったのは14歳から18歳の狭い年代領域だった。私も皆と共に遊んでいたが、ある日クラスの男の子が言う。
「ねぇ、皆で隠れてるのに、誰が鬼なんだろう?」
「ろうそくを消された人は帰れるけれど、消されていない人は帰れないの?」
男の子の言葉に、私は私のろうそくが消されたのか、不安になった。私はまだ、家に帰ることも出来ないで、かくれんぼを続けているのかもしれない。
かくれんぼろうそくは、今も子供達の間で人気のゲームだ。
作:白旗ラメント
★一話先行公開中★
第七夢『アケビの声』
https://nonmari.jp/series/s001107/
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