ノンマリ連載短編小説 「龍のコインが来て、そして」 #12 冒険の終わりはウサギ
12.
『冒険の終わりはウサギ』
チョッキを着て、懐中時計を持って急いでいる人がいたので、追いかけて、地下鉄に乗った。これって、『不思議の国のアリス』のウサギだよね、と思いながら。いままでのわたしならやらなかったこと。
見失ってしまったので、適当な駅でおりたら、ベンチになくしたブローチが置かれていた。ああ、これで不思議な出来事もひとまずおしまいなんだと直感的に思った。
私は、途中から気づいてしまった。すべては龍のコインが連れて来た出来事なのだ。コインが寝返りをうったとき