記事一覧
【300字体感物語】今までで1番痛かった〜The best of 激痛〜
「耳にできたポリープを切断しますからねー」
———え……切断?
「痛いですけど我慢して下さいねー」
———痛いの?……どのくらい?
「麻酔できないので」
———本来は麻酔するほどの痛み??
「痛くても動かないでね」
———思わず動いてしまうほどの痛み???
3人の看護師さんが背後から近づいてきた。
頭、上半身、足。3人がかりてガッチリつかまれ拘束される。
まったく
【毎日ショートショートnote】「1億年駆ける『ときめきビザ』」
「あなたが恋愛なんて1億年早いわ!」
小5の僕は、ある女子にそう言われた。
何をやってもダメな僕は恋愛しちゃいけないらしい。
「私が認めたらビザをあげるよ」
「ビザ?」
「許可証のこと!恋愛許可証だから『ときめきビザ』ってとこね」
帰り道、捨て猫がいた。
頭をなでていると、
「ちょっと!何やってるの?」
あ、1億年女子だ。
ミルクやお菓子を持っている。
「この子お腹が空いてるの。どいて
【毎週ショートショートnote】「『月刊 my future』記事より」/ときめきビザ
世の中から愛が消えた日。
マイナンバーカードに遺伝子情報が組み込まれ、人間を機械的な遺伝子配合により作成され始めた日を我々はそう呼んでいる。
全作業がオンラインで完結し、外を出歩くのは指令を受けたAIのみ。
人と人が直接会うことで問題が発生することから、会合が法律で禁じられた。
自分だけに着目する世の中となり、何かに感動をするという概念も失われ、その結果、誰かを思いやる『愛』も失われた。
【ショートショート】「自然の中で」/タンバリン湿原
「ママ、私の机の上にあったのがないんだけど」
小学生の娘が不満顔で尋ねてきた。
ああ、あれか。
机の上に昔100均で買ったおもちゃのタンバリンがあった。
ボロボロだし何か汚い泥のようなものが入っていて気持ち悪かったから、外のゴミ箱に捨てたところだった。
「汚いから捨てたよ」
「私の湿原を何で捨てたの?緑が生まれてやっと生態系ができ始めていたのに!」
緑?
生態系?
あのコケが?
思わず笑
【今日の出来事】間違いだらけのショッピング
午前中に妻と行った買い物での会話。
「このお菓子いいんじゃない?珍しいし」
新しい物好きの妻。珍しいものには目がない。
「でもみんなに分けるから、個包装されてるお菓子の方がいいかなぁ」
私も珍しい物は大好きだ。しかしパックの方がみんなに分けやすい。
「そっか。小袋が大事なんだね」
と言うと、妻は突然歌い出した。
「♪な〜がれる季節のまんなかで〜」
待て待て待て!そっちかい!しかも
【毎週ショートショートnote】「今日の一句」/モンブラン失言
「私、近視でよく見えないんだ」
この子を振り向かせるために俺はいつも甘い言葉を囁いている。
「そのままでいいよ。そうすれば俺が君の目になれるからね」
顔を赤くする君。ざっとこんな感じだ。
「赤点取っちゃったぁ」
「やったー!」
「ひどい!落ち込んでるのに!」
「ごめん。君の魅力にまだ伸びしろがあることが嬉しくて」
顔も赤くなる君。
もう俺の甘い言葉の虜だね。
もうひと押しだ。
「君の姿がいつ