"炭水化物は人類を滅ぼす"のか?
糖質制限はなぜ支持される?
最近仲の良い人が、数年間糖質制限をしているらしい。
あれ、大学で糖質制限はアカン言うてたよな…?
なんでこの人は数年間も糖質制限をしているのか…?
そう思い、
炭水化物が人類を滅ぼす~糖質制限からみた生命の科学~
という本を読んでみた。
この本に書かれていることを簡単にまとめると、
1.炭水化物は人類にとって不要である。
2.理由①炭水化物によって様々な不調が起こるから。
3.理由②そもそも人類は炭水化物を食べるよう進化していないから。
という論理だった。
様々な不調というのは、
・炭水化物の摂りすぎによる肥満が原因の様々な疾患(糖尿病とか高血圧とかね)
・血糖値が急上昇することによる眠気
・炭水化物の依存性(甘いものって執着しやすい)
などなど。
本書の後半はまるまる、人類やその他哺乳類の進化、歴史について書かれていたが、
・ヒトの胃腸は肉食動物寄りの構造をしている
・糖質をとらなくても血糖は維持できる
・人間が穀物を食べ始めたのはつい最近のことである
という根拠から、人間は炭水化物をとらなくても良いそうだ。
読んでみて思ったこと
本書については「確かにそうだ」と思う部分と、「本当にそうだろうか?」と思う部分が3:7くらいだった。笑
まず、共感できたこと。
共感したこと①炭水化物を食べると眠たくなる
これはその通りだと思う。お昼ご飯を食べた後、授業中だろうがなんだろうが必ずお昼寝していた大学時代…。夜ご飯を食べた後、お腹いっぱいで動けなくなり、1,2時間夕寝をしてしまうことも多々あった。
(これは食べ過ぎのせいもあるかもしれない笑)
共感したこと②糖尿病の治療法はおかしい
これは半信半疑だったが、
たしかに高い血糖値を下げるために、糖質を制限せず、脂質を制限するのは理にかなっていないような気がする。これは大学4年間で学んできた臨床栄養学の理論を覆すものだったが、1日250gの炭水化物は確かに多いように思える。これについてはもう少し勉強が必要。
共感したこと③我々は穀物や甘いものを食べるよう洗脳されている
炭水化物は精製された白米/小麦粉/砂糖を使った栄養のない商品が多く、また食品添加物が含まれていたり、揚げ物にしてあったりと、体に悪い食べ物が非常に多い。しかも化学調味料や大量の砂糖により味がかなり濃い。
しかし、これが安いのだ。低価格かつ美味しい炭水化物はめちゃめちゃ売れる。だからどんどん新製品が開発されるし、濃い味付けという麻薬漬けにされた購買者は買うのをやめない。依存性は確かにあると思う。
そして、共感できない部分について。
共感できなかったこと①糖質制限で痩せるのは不健康では?
これが一般的な理論だと思う。
まず一時的に糖質制限をすれば、やめたらすぐリバウンドするのは確実。
そして永続的に糖質制限をすれば、身体が糖新生でしかブドウ糖を生成できなくなるので、身体の筋肉や脂質が分解される。筋肉を分解したら筋力は落ちるだろうし、脂質を燃やすとケトン体が脳へ負担をかける。これが1番怖い。
共感できなかったこと②ウシとかライオンとか古代生物を人間の比較対象にすな
(体感)3分の1くらい生物の進化について書かれていたが、牛とかライオンが例としてでてきたのが謎すぎた。また人間がかつては肉食だったとしているが、果物や木の実やイモ類も食べていたはず。なんか理論に偏りがあって納得できなかった。笑
こんな感じで、糖質制限は良い!おすすめ!とはまだ言えない。勉強不足である。
しかし、精製された炭水化物(白ご飯、パン、麺、甘いものなど)は体に悪いのは激しく同意である。
(むたくなる、太る、依存する、ニキビできる、むくむ、、、)
では何を食べるのが正解か・・・?
私的に良いと思っている、”程良い糖質制限方法”は、基本的に穀物以外から炭水化物をとること。これらは血糖値をあげにくいし、糖質以外にもビタミンやミネラルなどの栄養素を多く含んでいるから、積極的にとったほうが良いと思っている。具体的には、
・じゃがいも、さつまいも、里芋などのイモ類
・人参、ゴボウ、カブ、蓮根 などの根菜
・カボチャや栗
などなど。
それでも足りないと思ったら、玄米や蕎麦などの比較的栄養豊富な穀物を食べたら良いと思う。精製された炭水化物を控えるだけでだいぶ体質改善できる。
最近、精製された炭水化物を控えているんだけど、日中眠たくならないし体の調子も良い!続けてみる。
そして、糖質制限についてもっと勉強してみようと思う。
賛否両論あるし、むしろ栄養学的には糖質制限はNGだが、
常識を疑ってみることにする。
読む分には総じて読みやすくて面白かったので気になった人は是非読んでみて^^