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「コロナ慣れ」するな!”数字”を見ろ!

<今回のTopics>
・「コロナ疲れ」は仕方がない。しかし「コロナ慣れ」はダメ!!
・「コロナ慣れ」する前に”数字”を見て、現実を知るべし!!

「コロナ疲れ」と「コロナ慣れ」は違う!

新型コロナウイルスの”第4波”が猛威を振るっている。私は大阪に住んでいることから、最近全国で最多を記録し続けている大阪の新規感染者数(厳密には「陽性者数」)にはおびえる毎日だ。

2度の緊急事態宣言と、現在のまん延防止等重点措置「コロナ疲れ」になっている人も多いのではないだろうか?私も「コロナ疲れ」を感じることはある。それまでは何もコロナについて考えることなく行動てきていたのに、今では毎日マスクやアルコール消毒したりなどして気を使う毎日だ。その一方で、自分の趣味や好きなことにはあまり興じることができないことからストレス発散しづらくなり、慢性的な疲労が溜まることだろう。

しかし一方で、「コロナ疲れ」と「コロナ慣れ」をリンクさせている人がいるのも事実である。「コロナ慣れ」は『また緊急事態宣言か~』として、これまでのような対策をせず、むしろ開き直るように行動していることである。心理学的には「正常性バイアス」と呼ばれる現象で、現実を過小評価し、正面から捉えない状態のことを指す。

正直「コロナ疲れ」は仕方がないと思う。しかしだからといって、現状を軽視する「コロナ慣れ」には絶対に陥ってはいけない!毎年流行するインフルエンザのような既知のウイルスでもないのに、全員がコロナ慣れしてしまうと、急激な大流行と甚大な経済被害を自分たちで引き起こす可能性があるからだ。

「コロナ慣れしそう」というか「正直コロナ慣れしている」という方には

これまでのコロナに関連する”数字”を見て、現実を知るべし!!!

と提言したい。


数字はウソをつかない!

これから現在の”第4波”がいかに異常であるかを、数字と数字を使ったグラフを使って示し、現在私たちが置かれている状況を客観的に示していく。私の現住居が大阪府なので、ここでは、大阪府が公表している政府分科会の「ステージ指標」をもとに、私が独自にまとめたデータを一部公開する。

【ステージ指標一覧】
・病床使用率(全体・重症者):最大確保病床数に対する占有率
・入院率(4/9新設):療養者数に対する入院者数の割合
・人口10万人あたりの療養者数
・陽性率:
直近7日間における陽性率の平均値
・人口10万人あたりの新規陽性者数
・直近1週間/前週1週間:
先週1週間(累計)に対する今週1週間(累計)の増加比
・感染経路不明率:直近7日間における感染経路不明率の平均値
※入院率は新設されたばかりでまだ公表されていないが、過去の療養者数と入院者数から独自で算出

まずは、「ステージ指標」の直近2週間における実績である。
※画像の文字が見づらい場合はその下のPDFからご覧ください。(同じ資料です)

ステージ指標

それによると、いずれの指標も直近2週間で急激に悪化に向かっていることが分かる。また合計8つある指標のうち、「陽性率」以外の7つの指標が「感染爆発段階」であるステージ4を指している。
さらに、参考として”第2波”(昨年7/1)以降における、これまでの過去最悪の数字を記した表によると、「人口10万人あたりの療養者数」と「人口10万人あたりの新規陽性者数」は集計日(4/12)に過去最悪を更新した。

ここで、

『確かにステージ4だけど、どれだけ悪い数字なのかわからない』
『感染者が多くても自分はかかっていないから今後も大丈夫だろ』etc

といった意見を持つ方がいるかもしれない。それは、現在のステージ指標に関する報道を見れば、そういう意見を持っても仕方がないと思う。

報道を見ていつも思うのが、新聞やテレビでは「最新のステージ指標」ばかりを報じていることである(専門家会議の資料やコロナ特設サイトでは過去のデータも公表しているが、メディアはそれを全く報じていない)。それにより「以前の数字と比較しない」ことで、過去と比較した現在の異常さに気付きにくくなり、これが”正常性バイアス”による人々の「コロナ慣れ」を助長させているのではないかと考える。

「以前の数字と比較しない」のであれば、ここで過去の新規陽性者数の推移を見てみよう。下のグラフは、去年の3月上旬から現在までの「人口10万人あたりの新規陽性者数」の推移である。
ここで「人口10万人あたりの新規陽性者数」の数値の計算式を示しておく

人口10万人あたりの新規陽性者数
=(直近7日間の新規陽性者数の合計÷都道府県の人口)×10万

人口10万人あたりの新規陽性者数

推移グラフを見ると、現在の数値がいかに最悪レベルにあるかがよく分かる。また同じ緊急事態宣言でも、1度目と2度目では全く数字のレベルが異なる。1度目の宣言期間中(4/7~5/21)の最大値が「5.21人(1日平均65人)」であるのに対し、2度目の宣言期間中(1/14~2/28)の平均値は「43.27人(1日平均544人)」と約8.4倍にものぼる。さらに、過去最多を更新した昨日(4/12)は「64.28人(1日平均809人)」と、1度目の宣言期間中の最大値の約12.4倍にものぼる。

(4/13追記)
大阪府で初めて1000人を超える1099人の新規感染が確認されました!これにより「人口10万人あたりの新規陽性者数」は「71.28人(1日平均898人)」と前日を大幅に上回り過去最悪を記録しました。増加幅も大きくなっており、第4波のピークはいまだに見えておりません!!

ちょうど1年前は「これからどういう日常になってしまうのだろう・・・」と嘆いていた人も多いだろう。しかしいま思うと、その心情になることは決して過剰ではないことである。なぜなら緊急事態宣言が出ていない現在の方が格段に悪い数字が出ており、それに対して、「怖さ半分、慣れ半分」に感じている人が多いからである。

こうして、何ら根拠を示さずに「自分は大丈夫だ」というコロナ慣れしている人もいれば、過去の実績との比較もせず「今のうちに好きなことしよう」という人もいるだろう。

しかし、過去と比較することで、客観的に現在の異常さに気づくことができ、それに対する感染対策を講じることができるのである。

政府や各自治体、各マスメディアにはもう少し客観的なデータ・提言を行うべきである!


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