根雨良光

木の枝に擬態する七節のごとく言葉の森で地道に棲息しているナナフシ・ライターです。人生の…

根雨良光

木の枝に擬態する七節のごとく言葉の森で地道に棲息しているナナフシ・ライターです。人生の半分の30年を書くことで食ってきました。古文の講師をしています。散歩するように短歌詠む日々。我が身は七節でも、我が言葉は揚羽のごとく舞ってほしいと願っています。

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記事一覧

暑くとも月は早くも秋の色 文月望の日初秋名月

文月(ふづき)=陰暦七月 望の日(もちのひ)=陰暦十五日

根雨良光
1か月前
30

お盆にオオミズアオ(蛾が苦手な方閲覧注意)

幸を呼ぶ大水青と逢ふお盆 ご先祖様の声も運ぶ蛾 お盆休みの昨日、台風接近の報を受けて備えの買い物に出たら、通路にオオミズアオがいました。 幸運を呼ぶと言われている…

根雨良光
1か月前
26

わが胸の蜩も鳴くかなかなな 秋の夕暮れ わが人生も

根雨良光
1か月前
23

蜩は夏の名残の切れ字かな 猛暑かなかな盆の入りかな

蜩撮れなかったので蜻蛉で。猛暑日の盆の入り、代々木公園にて。

根雨良光
1か月前
22

チョコフォンデュに我はなりたい 友からの愚痴玉甘く包めるような

包む(くるむ)

根雨良光
1か月前
25

炎天下 凌霄花に誘はる 新幹線の冷凍みかん

凌霄花(ノウゼンカズラ) 誘ふ(いざなふ)

根雨良光
1か月前
28

孫の手を「負けた」気分で買ひにけり「何に負けたの?」首傾げつつ

根雨良光
1か月前
26

丑の日や「う」のつくものを食えという うしのしっぽのスープをずずう

テールスープ飲み終えてから歌が浮かんだので、代わりに、たべっ子どうぶつの画像を。

根雨良光
1か月前
24

菊の花がわからない若者は少なくない

風流の種を蒔くこと 若者にムズい古文を教える意義は 古文教えていて気づくこと。 男子高校生が菊を知らないのは珍しいことではない。 「菊」という言葉はさすがに知って…

根雨良光
2か月前
43

「むかし、男、はつかんして…」

「教科書は次、はつかん」と高2言う「ういこうぶり」とわかりほっこり 高校生に古文教えていたときのこと。 「2学期は何からやるのかな?」と聞くと、 「えっと、教科書…

根雨良光
2か月前
29

限りなく透明に近いグリーンで我はありたい いかなる時も

根雨良光
2か月前
25

今はもう年内入試が多数派で夏は受験の本格シーズン

根雨良光
2か月前
22

猛暑日の天気アプリにぞぞ髪立つ 体感温度43度

ぞぞがみたつ=ぞっとして身の毛がよだつ

根雨良光
2か月前
30

夏からの便りに見ゆるレタスの葉 レターのレタス レタスのレター

根雨良光
2か月前
24

丸ごとは萵苣と呼びたきレタスかな ちぎりしのちは確かにレタス

萵苣:ちしゃ

根雨良光
2か月前
23

梅雨に食ふグリーンカレーは半夏生 後半戦は白星であれ

根雨良光
2か月前
23

暑くとも月は早くも秋の色 文月望の日初秋名月

文月(ふづき)=陰暦七月 望の日(もちのひ)=陰暦十五日

お盆にオオミズアオ(蛾が苦手な方閲覧注意)

お盆にオオミズアオ(蛾が苦手な方閲覧注意)

幸を呼ぶ大水青と逢ふお盆 ご先祖様の声も運ぶ蛾

お盆休みの昨日、台風接近の報を受けて備えの買い物に出たら、通路にオオミズアオがいました。
幸運を呼ぶと言われている蛾です。
調べたら、ご先祖様のメッセージも運んでくれるとのこと。
いろいろな想いが私の脳裏を過りました。

階段を降りると、踊り場の窓で、迷い込んだらしいトンボがガラスにブンブンぶつかっています。
窓をゆっくり少しずつ開けると、フッと空

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わが胸の蜩も鳴くかなかなな 秋の夕暮れ わが人生も

蜩は夏の名残の切れ字かな 猛暑かなかな盆の入りかな

蜩撮れなかったので蜻蛉で。猛暑日の盆の入り、代々木公園にて。

チョコフォンデュに我はなりたい 友からの愚痴玉甘く包めるような

包む(くるむ)

炎天下 凌霄花に誘はる 新幹線の冷凍みかん

凌霄花(ノウゼンカズラ) 誘ふ(いざなふ)

孫の手を「負けた」気分で買ひにけり「何に負けたの?」首傾げつつ

丑の日や「う」のつくものを食えという うしのしっぽのスープをずずう

テールスープ飲み終えてから歌が浮かんだので、代わりに、たべっ子どうぶつの画像を。

菊の花がわからない若者は少なくない

菊の花がわからない若者は少なくない

風流の種を蒔くこと 若者にムズい古文を教える意義は

古文教えていて気づくこと。
男子高校生が菊を知らないのは珍しいことではない。
「菊」という言葉はさすがに知っているけど、意識して見たことがない。
ゆえに、どんな花なのかわからないのです。
そのような生徒さんに、例えば『蜻蛉日記』の「うつろひたる菊」を講義することのむずかしさといったら……。
されど、いつかその人が菊を愛でるようになるかもしれない

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「むかし、男、はつかんして…」

「むかし、男、はつかんして…」

「教科書は次、はつかん」と高2言う「ういこうぶり」とわかりほっこり

高校生に古文教えていたときのこと。
「2学期は何からやるのかな?」と聞くと、
「えっと、教科書は次、はつかん」との答え。
「はつかん……ああ、ういこうぶり」
「?」
「伊勢物語ね」
「あ、伊勢って書いてある」

楽しいやりとりに私は発汗しました。

限りなく透明に近いグリーンで我はありたい いかなる時も

猛暑日の天気アプリにぞぞ髪立つ 体感温度43度

ぞぞがみたつ=ぞっとして身の毛がよだつ

夏からの便りに見ゆるレタスの葉 レターのレタス レタスのレター

丸ごとは萵苣と呼びたきレタスかな ちぎりしのちは確かにレタス

萵苣:ちしゃ

梅雨に食ふグリーンカレーは半夏生 後半戦は白星であれ