
親との問題。
このnoteを始めた頃、なるべく親との関係のことは触れないでおこうと思っていた。
なぜなら自分の親との関係を書くということは、私の中に一種の罪悪感を植え付けるような感覚になるから。
過去記事の中でそれとなく、幼少期から波乱万丈気味だったということは触れていたが、それも仔細に書くことはしなかった。
その理由はここまで育ててくれた恩を持っていることはもちろん、私が昨年に甲状腺乳頭がんの手術をしたあとも両親なりに気を使ってくれていたから。
私が大人になるにつれて、そして両親も同時に歳を重ねるにつれて未だにいろいろと思うことはあっても、一人娘の病気をきっかけに歪さを孕んだ家族関係はいくらか修復に向かうと信じていた。
しかしそれも昨日、音を立てて崩れた。
もうこれ以上、建前でも親のことを庇う理由が見当たらなくなってしまう出来事が勃発したから。
今日は毒親サバイバーとして、機能不全家庭出身者として、ここに私自身の気持がひとつの供養となれるよう書き落とそうと思います。
予めここでひとつお伝えしておきます。
毒親耐性、機能不全家庭のエピソード耐性がない方はあまりに暗い内容なので、ここで引き返すことをお勧めします。
会話泥棒と裏切り行為
一昨日の土曜日、甲状腺の病気とは無関係な診療科目の医者から、暗に傷口が汚いと揶揄されて悲しい思いをしたという記事を書いた。
それが金曜日の出来事だったのですが、自分の傷の状態は自分が一番よく知っているとはいえ、他人からそうやって言われたことに憤りと悲しさを覚え、夫に慰めてもらっても涙がとまらなかった。
その翌日である日曜、つまり昨日の起床時も鬱々とした気持ちだった。
昨日の今日なので、気持ちの切り替えようがなかったのです。
しかしどうしても辛い気持ちなり、うっかり母に連絡したことがすべての間違いだった。
電話をしたら一通り話を聞いてはくれたものの、そのあと怒涛の父に対する愚痴LINEがきた。
あ、そうだった。いつもそうだった。
私がなにか泣き言や弱音を吐いたら、自分も自分もと被せてくるのだ。
しかし今は父の愚痴に付き合っている気持ちの余裕がないため、いつも通りの既読スルーを決め込んだ。
いまハマっているスペインドラマを見たり、洗濯物をたたんだりして、いくらかの気分転換を図りながら。
無視してしばらく経って夕飯の支度をしながら何気なくLINEをみてみると、とんでもないことが書いてあった。
母はいつも愚痴のLINEを画面いっぱいに書き込んで1スクロールしないと読みきれないほどのボリュームで来ることがよくあるのだが、その内容に思わず手が震えた。
「お父さんが、"だから医者を選べといったんだ。俺もあいつの傷は汚いと思っていた"などと言ってたよ。いまお父さん機嫌が悪いからって、酷い言い草だよね…」と。
話が通じない辛さ
私は常々、昔から思うことがあった。
「Aさんがアナタのこと✕✕って言ってたよ〜」とチクってくる人。
しかもその✕✕という内容は経験上、九割九分九厘、ネガティブな内容だった。
いわゆる告げ口ってやつですが、これをする人って、(言ったかもしれない)Aさんよりタチが悪いと。
だってもし本当にAさんがそのような悪口と取れるような発言をしたとしても、Aさんが当人に言わなければバレないで済むところを、わざわざチクってくる人がいることで言われた当人もAさんに対して疑心暗鬼になるし、それが何度か繰り返されるだけであっという間に人間関係は分断されますよね。
ちょっと考えなくてもわかることを子供ならまだしもいい大人がするというのは、罪深いの一言では済まされない。
それを母は昔から、そして私が結婚して家を出てもなお、「お父さんがあなたのことをこう言ってたよ」といった内容で何度も繰り返してきていたのです。
これまで何度もその告げ口に腹が立ち悲しい思いをしても、既読スルーという一時処置をし、夫に愚痴ってなんとか気持のやり場を凌いでいました。
しかし今回のことはどうにもこうにも腸が煮えくり返り、許すことは到底できないと思った。
私だって好きで手術したわけじゃない。
好きで目立つところに、一生残る傷跡を残したかったわけじゃない。
私は努めて冷静に言い返しました。
自分の傷のことは自分が一番よくわかっているから、母を通して父の気持ちを言われても嬉しい気持ちにならないということを。
しかし次の瞬間、謝罪の返信がくるかと一瞬でも思った自分のバカさ加減に思わず嫌悪感を覚えざるを得なかった。
その返信内容は、「父親があなたに直接言った場合を考えて、自分は親切心で言ってやった」というものだった。
その言葉をみた瞬間手が震え、本当に目の前がくらっとするのを感じた。
食欲が急速に失せ、箸をつけられなくなった。
前々から言葉が通じないとは思っていたが、やっぱりそうだったかと。
感情的に文字を打ち込みまくりたい気持ちをぐっとこらえ、こう返しました。
それは親切心ではないこと。
もし万が一父親が私に言ってきたとしても自分で対処できること。
私が聞いて嫌な気持ちになることを母が伝えることによって、母はその意見に同意しているとみなされること。
そして母のその伝言がいかに私を傷つけてたかわかってほしいので頭を冷やしてほしいこと。
そういった内容を送り、初めて母をブロックした。
母も40代の時に開腹手術を経験している。
自分の意に反して出来てしまった一生消えない傷を持つ辛さや痛さを母もわかってくれると思っていた。
でもそれは、私のとんだ思い違いだったと痛感させられただけだった。
母と父
もしかしたら父親は本当にそんなことを言ったのかもしれない。
でもそれは私には知りようがない。
本人に確かめたところでもし言ったとしても言ってないとすっとぼけるのがオチだし、言っても言わなくても母に「あんなこと言っただろ!」と怒り、そして母の怒りは私に向くこともわかっている。
さらにひとつわかっていることがある。
おそらく私が今回こうやって強く意見したことで、母の場合は素直に反省するわけがないのだ。
「どうして私がこんなことをとおぼえに言われなきゃいけないの!?」と思いっきり被害者ヅラしてると想像できるから。
なぜなら昔からそうだったから。
入院前後でも腹が立ったり悲しい気持ちになったりはしていた。でも見ないようにしていた。
手術が決まったときも「首だったら動けるからいいじゃん!私なんてお腹だよ!お腹って切ると動けないんだから〜」などと励ましとは程遠い 私のが辛いマウントを何度か取られたこと。
入院前日にナーバスになってる私の家に急に押しかけて別に大して要らない品を押し付け、あまり嬉しそうにしない私の態度に不満を持ち、励ましの言葉もなく「じゃあね」と睨みながら出ていったこと。
私の広範囲な汎発性脱毛症のことを10円ハゲとからかい、脱毛症で眉毛がまばらな私の顔を見て笑ったこと。
父親は学歴と家柄に強いこだわりをもち、世間体をとにかく気にする人。
さらに昔から地雷原がどこにあるかわからず、突然不機嫌になって母や私を萎縮させることは日常茶飯事だった。
そして不機嫌ゲージがたまると怒鳴り散らし、母に暴力を加えたり、私に怒鳴って手を挙げることもあった。
ただ平常時はその態度と打って変わって、一人娘の私のことを溺愛していた。
しかしその溺愛は条件付きなことがほとんどだった。
成長するにつれて、わかってきたことがあった。
本当に心から娘を愛しているなら、これまで私にかけてきたひどい言葉や態度はなかったはずだと。
両親に対して思うこと
うっかり暴言がない日々を過ごしていると脳が勝手に騙されて、「私は両親と仲良くなれたのかも」なんて誤解してしまうことがこれまでに何億回もあった。
両親に対する感謝もあるし楽しい思い出があることも事実ですが、それ以上に辛くて悲しい思い出の方が多いことも変わらないのに。
上述したエピソードはほんのひとつまみにしか過ぎないものの、やっぱり私の家は「健全な家庭」とは程遠いということは昔から要所要所で理解はしていたし、夫と結婚したら夫家族があまりに「普通」の家族仲だったので、義実家を来訪するたびにショックをしばらく受けていたこともあった。
いつまで母をブロックするかは決めていない。
しかし一生消えることのない物理的な傷を一番気にしている当人に対し、さらに追い打ちをかけるようなことを言うような人を、一体どれほどの人が許せるのでしょうか?
これまでは両親からの暴言はスルーという形でなんとか凌いできましたが、これ以上私を馬鹿にする人は親だろうと誰だろうと何人たりとも絶対に許さないし、私の傷についてジャッジしていい権利があるのは今までもこれからも私だけです。
そしていつか絶対に夢を結実させ、これまで馬鹿にされてきた経験を無駄にしない。
そう改めて、強く心に思いました。
・
・
・
最後に、私のように身体のどこかに傷がある人たちへ。
あなたたちの傷は、ひとつの高い山を乗り越えて頑張ってきた証です。
なにも恥じることもなければ隠す必要もありません。
自分以外の人間に、あなたの傷がどうとか言われる筋合いもありません。
あなたの身体はあなただけのものなので、ただ自分を大事にし、時間がかかっても傷を癒すことだけに向き合ってください。
言いたいやつは言わせておけばいいとは言いますが、私みたいにダイレクトに言われるとさすがに悲しくなると思います。
でも、傷を受けたのはあなた一人じゃない。
私もここにいます。
それを忘れないでください。
いいなと思ったら応援しよう!
