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東雲そら
2021年8月31日 20:20
言葉は人を傷つける図らずも知ってしまった君へ部屋の隅両耳をイヤホンで塞いでいる君へ小宇宙スマートフォンを握りしめる君へ君がもし笑えないなら無理に明るく振る舞ったり不器用な作り笑顔を浮かべたり自分を騙さなくて良いと伝えよう君がもし前を歩きたいなら片隅で弛んだ身体を動かしたり表情筋を鍛えるような笑顔を作ったりささやかな一歩に止まない喝采を送ろう君はまだ朝を迎えてい
2021年7月25日 17:05
息を吹きかけてしゃぼん玉は空を泳ぐ風が付き添って旅をする流れに委ねながら仰ぐ世界ふわふわと夢心地破裂が待ち構えても上へ海に映る波光を眼下にお月様今宵もこんばんは浮くほどに故郷の地上と距離が生まれても先の見えない未来と気まぐれに変わる空模様何かに脅かされても今はこのまま宙を目指して #ポエム #poem #詩 #詩のようなもの #創作 #自由詩
2021年7月8日 18:37
張り裂けそうな胸の痛みを分かってほしいと嘆くのはあまりにも簡単だった静寂を崩す波音は時に強く時に優しく断続的に浜辺に押し寄せる濁りを知らない透き通るそれが詩的な言葉は音と色と自然と情で成り立つ君は詩そのものだった藍色に近い青い波が声をかけてくれるその日常に救われていた有り難さに気付いた今目を閉じて耳を傾けるいつもの海が聴こえる気持ちを綴った手紙を空
2021年7月3日 15:11
弱さを切り出して弱さを分け合ってそれを僕の右手と君の左手に乗せて温もりで溶けて行き残り香が月へ昇り始めて不安感に付随する浮遊感は離れて僕らは今地に足を付けた不思議今なら水面に浮かぶ月の道さえ歩ける気がする #詩 #詩のようなもの #物語 #自由詩
2021年5月20日 00:51
注がれる光の筋は光芒の二文字へ凝縮される君にとっての僕は普通名詞に収まるかい?固有名詞として展開されるかい?歌は詞があるから成り立つのいつだったか君は得意気に口にした新緑に風が吹き込まれて刹那揺れた何かを構成するには不要なもの不可欠なものその二つが点在して君との出会いは君からの言葉は君の魅せる表情は埋まらない欠片をぴったり当てはめた僕にとっての君が光芒で
2021年6月15日 01:00
青空が怖いどこまでも続いてゆく空の青さ 壮大さ自分がいかに矮小で取るに足らない存在か気付いてしまうから指先で大気をなぞる世界が若さに沿ってくれると信じていたの 一秒経つ毎に砂時計を逆さにする毎に青空は相対的に美しくなるああ空の青さが眩しいから目を背けたくなる時こそカーテンを開けるの #ポエム #詩 #自由詩 #空 #日記
2021年6月21日 19:54
人類の憧れ古代人の標死者の代名詞願いを託す対象☆薄らと宙に浮かぶそれに手をかざしても届かないそれに幾多の人が眼差しを向けて数多の願いが込められて☆星が宙を翔る一瞬両手を組み刹那祈りを捧げる叶うとはつゆほど思わなくともその行為に心癒す慈愛に似たものがある☆遠く離れた恋人想像力の源泉過ぎ去りし辛い過去点を見つめて私は何を思う点と点が
2021年4月6日 18:07
息を吹きかけてしゃぼん玉は空へ泳ぐ春風が付き添って気の赴くまま旅をする時には流れに委ねていいかもね時流を読み解くのは難しいから透明な柔な円のように時に僕らはふわふわと夢心地時に僕らは破裂が待ち構えても上へ先の見えない未来気まぐれに変わる空模様何かに脅かされても今はこのまま宙を目指して #詩 #詩のようなもの #日記 #創作 #しゃぼん玉 #自由詩
2021年4月1日 18:23
目をパチリ開ける一月前とは異なる住空間スペースが有り余る部屋のカーテンを開けると燦々とした黄金色の輝き1日のはじまりいつかの未来に立っている電車に揺られ交差点を右に曲がる青信号に切り替わり人々は一斉に歩き出す地元では見慣れない風景この街は未知の世界真っ白な未知の世界余白が有り余る世界きっとこれから色彩豊かな世界へ移ろうから今は不安さえ馴染ませて前を向
2021年3月19日 18:31
想いを風と光に乗せ春の白昼に詩を綴る光は屈折するもの水が入ったグラスに着地した誤って器に入った水が袖に飛びかかった今は僅かな水滴のみ器に残って光は直線に進むもの矢のように前を突き抜ける渇きはどこへやら濡れた衣服は乾いた過去と決別するよう梢越しに陽を見つめて光は虹のようなもの星彩に青光りまで色彩豊か忘れかけていた七色の表情が反射したその美しさに改めて気付いて
2021年3月17日 18:44
「君らしくいてね」風光る午後あなたがくれた言葉ありふれたそれも君からだと意味を帯びる挫けそうなときつまづきそうなとき真夜中眠れないとき先が見えなくて不安が喉に詰まっても記憶の欠片を拾い上げてその言葉を馴染ませるたったそれだけで光芒が視界に映るように立ち上がる勇気が湧く気付けば四季は何度も巡る香りをゆらゆら移ろわせて今の世界に君は不在でも眼を閉じて耳
2021年3月14日 19:16
既定通り春は訪れて君が不在の世界でも柔らかな風がそよぐ髪と戯れて頬を掠める最後の言の葉変わらない面持ちと声の高さで君からの「ありがとう」刻々と針は動き2人の思い出はクリスタル色に染まる既定通り春は訪れて君が不在の世界でも木漏れ日は揺蕩うその円形の眩さに記憶の君を重ねる既定通り春が訪れるその前に君は世界から去っていったその事実がガラス色の心に響いて
2021年3月9日 21:21
「僕の心臓が止まったら、気球葬してちょうだい」従兄弟の君は普段と変わらない口そぶりで告げる。夕暮れ、陽は傾いて影は伸びる。「なんで気球なの?」「気球なら、物理的に星に近づくから。僕は死後、お星様になれるかもしれない。」血が繋がっているのに時折突拍子もないことを口にする、不思議な人。「大きな病を抱えていないのに、どうして死に耽るの?」「保険だよ。自分が死んだ後、空に還るのか、違う
2021年3月7日 21:41
窓から眺める桃色がひらひら踊った。病室のベッドで足を伸ばす私はそっと手を差し出して窓越しに春を掴む。窮屈な日々が色褪せないのは、一年に一度、君に会えるから。年々、恰幅の良い出で立ちで私を驚かせる。舞う桜との真反対ではドアを開ける音。君がこの小宇宙に入ってきた。今年もまた、一段と背丈が高くなったね。「だって育ち盛りだから。」と切り返す、淡々とした君の言葉選びは嫌いじゃない。「桜が綺麗。」