東雲そら

小説と詩を投稿しています。貴方にとって心揺れるような、そんな文字を綴りたいと思います。

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マガジン

  • おやすみポエム

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  • 藍色の空と君と

    小説と詩の混合作。 ブルーアワーを撮る君に惹かれた僕は目を擦り空を仰いだ。綺麗な空が1日に何度も色を変える。 素敵な事実を教えてくれた君に僕は何かを届けたいと思い…

  • 素敵なコンテンツの集い

    素敵な記事を勝手ながら集めさせていただきます! いつも心が揺れるような投稿をありがとうございます(´∀`*) 迷惑でしたらお手数ですがお声がけいただけると幸いです🙇‍♂️

最近の記事

心配り

片隅に常夜灯 あなたに伝えたい想いをしたためる  「あなたが差し出した手や眼差しや言葉に救われている」  「休んだ次の日に 声をかけられる人間と該当しない人間の違いを考えることはなくなった」  「不本意に他者からつけられた頬のしみも あなたの急変する眼差しでそっと撫でられたら許せる心持ちになった」  「あなたにだけ伝えたい言葉と知らせたくない言葉の区別がつくようになった」  「あなたが配るものによってこの心身が知覚するものに既知の名詞が存在した」  「かぼちゃもお菓子もランタ

    • 【ショートショート】七夕とハンバーガー

       猛暑が跋扈する世界。中学2年生の少年は常備品にあたるティッシュとウェットティッシュ、絆創膏に加えて季節柄日焼け止めと制汗剤をバッグに詰め込む。夕方、最寄駅から幾つか離れた駅に降りた。待ち合わせ場所にいる背丈の高い少女を見つけた。  「お待たせ。もう着いていたんだ」  「遅刻に慣れたくないからね」  少女は有り体に言えば、美人であった。中学生とは思えないほど大人びた目つきに程よくシャープな輪郭、鼻の高さ。少女本人は「つり目なだけ」とおよそ1ヶ月くらい前まで思い込んでいた。

      • 2023年の振り返り

         皆さまご無沙汰しています。東雲です。速いもので気付けば大晦日になっていまして。題名に沿って今年を振り返ります。  5月までは月に1回以上投稿、次は8月に1回投稿、小説と詩に限定しますと6回投稿しています。読んでくださった皆様、ありがとうございます。  2022年は月に1回以上投稿していまして2023年は前年比50%以下の投稿回数になります。6月以降、投稿回数が減った背景の説明をします。特に背景に興味がない方はここでバックしていただければ幸いです。  6月に入ったら中編

        • もう一つの七夕

          「好きだよ、8月8日」 「僕も、7月7日を片時も離したくないと思っている」 ∞の可能性に満ちた8月8日は7月7日の傍らから離れず、7月7日もつられて地上から届く祈りを放棄し、天の怒りにより8月8日は6月9日と9月6日に分割された。 7月7日の24時間のみ、8月8日に戻ることが許されるようになった。 #七夕 #創作 #140字小説

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        記事

          思い出すは木漏れ日

          木漏れ日に憧れ 梢と梢の間に生えるささやかな光 陽射しが強い某日 あなたは意味もなくそれを眺めていた 意味のない 無駄な行動だと思いながら 意図のある 心の豊かさの表れだと確信した 季節が巡り 不可欠なものが増えていく中 ささやかなそれの有り難みを忘却していた 降り注ぐ雨は掌に支えられている スマホ画面に直撃し変色した 自然世界に輝く光 光芒 星彩 月光 そして 平日の真昼 意味もなく木漏れ日を眺めた 花笑みが綺麗なあなたを思い出しては #詩 #自由詩 #創作

          思い出すは木漏れ日

          空白の4月

           今日は4月30日。ここ1ヶ月、とても退屈だった。体感、8月31日を90回繰り返されているような心地。ことの顛末を振り返ろう。  3月末で最終出勤日を迎えた。有休は20日以上残っていて、4月の各平日に振り、1ヶ月丸ごと休んだ。そして明日から転職先で働く。  1ヶ月休むのが決まった時点では喜びと解放感に満ち溢れていた。権利行使による無職生活を楽しんでやろうと思ったからだ。  4月1週目水曜日。多くの新入社員が社会人デビューを迎えて間もないこの日、オフィス街のビルのレストラ

          空白の4月

          実感と痛感

           時計の針が17時15分を指した。18時に定時を迎えても残業がスタンダードなこの職場。人が退職するとなると、上長の一言で手が止まる。  「えー、皆さん、遠くの島にいる方もこちらに寄ってください。本日付けで朝倉君が退職します」  朝倉。僕より3年先輩の名字だ。今日が年度末で、おそらくは1年で最も退職者が多い日であろう。所長から朝倉先輩への感謝の言葉に頷き、スピーチを委ねられた。  「皆さま、お忙しいところお集まりいただきありがとうございます。新卒入社してからおよそ5年間、この

          実感と痛感

          3年経ちました

          3年経ちました

          透明が存在する2月

           21時。もう寝る時間だ。パジャマに着替えたから残すはベッドに横たわるのみ。ローズマリーのアロマを部屋中に満たした。このルーティーンを経過したのだ。今日も眠りにつく。何も寂しいことはない。ベッドへ足を伸ばそうとした瞬間、インターホンの音が聴こえた。モニター越しに相手を確認した。僕よりあからさまに高い背丈を有する、彼は2月28日だ。ドアノブに手を伸ばし彼と対面した。  「こんばんは。今日もおねむの時間かい?」  「そうだよ。背丈を伸ばすには寝るのが一番だからね」  「同じくらい

          透明が存在する2月

          月末もいいところですが遅ればせながらあけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

          月末もいいところですが遅ればせながらあけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

          冬の朝

          リリック 君の唯一の詩を思い出した 重さを伴わない涼しい朝に とても嬉しそうに語る表情 普段より流暢になり火山灰 冷気は最果てへと光速転移 理解できない余白が今もあって 思議と不思議の意味を改めて辞書で引いた ベッドメイクをして洗顔して パンを食んで朝一のニュースをチェックする 髪を整えて外に出る 冬の朝の静けさに包まれ考えても脳内未記入 定型的答え合わせは要らない ずっと保管したいだけ 貴方の詩を想像で補完したいだけ #詩 #自由詩 #ポエム

          2022年(以前)の振り返り

           こんにちは。東雲です。2022年もあと少しで終わりを迎える中、今年の振り返りをします。まずは作風から。  遡ること2022年を兎のように飛び越えて2021年9月。ペンネームに「そら」を入れているものの、室外描写に頼りすぎではと自問しまして。風が吹いて、陽光が届いて、時折降り注ぐ雨に頼り過ぎていると思った次第、2021年10月から意識的に室内描写をするようになりましたね。 しかし悲しいかな、これまで室外描写をして文字を羅列した結果、滑らかに室内描写をできると現時点では胸を

          2022年(以前)の振り返り

          おし相撲

          おしてひいておす バランスを崩して整えておす 遠ざかって目を見て 掌を重ねようとして 重心が傾き前屈み 敗北に帰す 体格が全てではない 華やかさやしなやかさ 持ち合わせた君の強さ この1mの歪んだ距離 思い出も希望も詰まって ここだけが四次元空間みたい #詩 #ポエム #自由詩  #創作

          おし相撲

          就寝までの攻防戦

          午前0時 ねるのよゆー 午前1時 もうちょっと動画みよ 午前2時 もうねるか 午前2時30分 寝れないね? 午前3時 なんだ、緊張してるのかな。 午前4時 今から寝れば挽回できる。挽回ってなんだっけ? 午前5時 スズメさん、おはよ 午前5時30分 寝ないと気持ち寒いね 午前6時 今、分かった気がする、そもそもどう、バタっ …… now loading …… now loading …… …… …… 通信エラーにより、アクセスできません。 【再

          就寝までの攻防戦

          うとうと

          うとうと眠たくて 今日は早めに眠ろうか 明日も明後日も続く 就寝前の読書 この本には思い入れがある 尊敬している人が教えてくれた ペパーミントのアロマ 部屋中に満たして ゆっくりと目を瞑る 明日も太陽が昇る 二度とない今日にさよなら また明日 #眠れない夜に #ポエム #自由詩 #詩 #睡眠

          うとうと

          9月 君が知らない君

          10畳の部屋には夕陽の光芒らしき光の筋が映えており、限りなく海に似た青が地面に塗られている。住人の空想が部屋の背景に反映される。9月29日が住む世界は特殊である。愛書を開き静かな時間を過ごそうと思った矢先、コンコンと、ノック音が響く。 「どうぞ」 優しい声色に促されるまま、一人入室した。9月29日とは近しい存在の9月30日だ。 「お邪魔します」 「こんにちは、9月30日」 言わずもがな、9月30日は9月29日の後に続く存在だ。2人は同じマンションに住み、隣室同士だ。物

          9月 君が知らない君