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個別最適な学びについて考える(131)ー有田和正(1989)有田和正著作集「追究の鬼を育てる」19「生活科につながる総合活動」ーから
おはようございます!
本日は火曜日!まだまだ週の初めですが、頑張っていきましょう!
皆さんが見てくれていることが力になります。あとちょっとで有田和正先生の全集も終わります。頑張ります!
本日は「有田和正(1989)有田和正著作集「追究の鬼を育てる」19「生活科につながる総合活動」.明治図書,東京」です。では,早速読んでいきましょう!
見る力が育ってくると、対象の中に、たちまち問題を発見する。
逆に、問題を発見できるということは、「見る力」が育っていると評価することができる。
この意味で、見るということは「問題を発見すること」だといってもよい。
問題発見力は、現代の子どもの能力の中で、最も劣っているものである。なぜなら、覚えることに熱心で、問題を発見しようなどと考えなくてよかったからである。
しかし、新しい社会では、問題発見力のある人間を要求し始めた。
記憶や問題解決はコンピューターでもできる。問題発見は、人間にしかできない大切な能力であることが見直されてきているからであ
る。
問題発見力がつき、おもしろい問題を発見できれば、だまっていても調べる。調べなくてはおれなくなる。そこで「調べる力」が要求されてくる。調べることは「考える」ことであるから、考えることも同時に要求されてくる。
調べ、考えるには、「資料活用」が不可である。従って、調べるには資料活用力もついていなければならない。
「調べる」ということばには、「資料活用」や「考える」ということを含み込んでいるのである。
調べた上で「判断する力」が、要求されてくる。
これまでは、教師が判断したことを「知識」として教えていた。これでは判断力は育たない。
新しい授業、「追究の鬼」を育てる授業は、子どもに問題を発見させ、調べさせ、判断させ、それを「表現」させるものでなくてはならない。これを子ども自らが行うようにさせなければならない。
何らかの形で「表現」させなければ、どんな能力が育っているかわからない。このため、わたしは、子どもの表現力に、ことのほか強い関心をもって対処している。
ひとことでいうならば、社会科で育てる学力は「問題解決力」だけれども、その内容には今述べたようなものが考えられる。これが三つめの条件である。
この問題解決力のある子どもが、「追究の鬼」といわれるものである。
「追究の鬼」を育てる条件を、できる限りコンパクトにまとめてみると、次のようになる。
第一に、問題発見力をつけることである。いろんなものに好奇心をもち、「はてな?」を発見できる「見る目」を育てることである。
第二に、問題を発見したら「必ず調べる」ように導き、調べる力を伸ばすことである。多様な調べ方や情報の入手のしかたを身につけ、それを検討して判断できる力を育てることである。
第三は、調べ、考え、判断したことを、「必ず書く」ようにさせることである。表現力がなければ鬼とはいえない。
豊かな表現力をつけたい。
この部分、刊行にあたってなのでどの全集でも読めます。
それでも全てがここに詰まってるんですよね。問題解決力をたかめるだけではなく、さらに上を目指しているわけです。表現力までできて追究する力だということです。
調べても書けなければ意味がない、そんな気持ちが伝わってきます。社会から汎用的な力を育てていくこともできそうですし、個別の追究力を高めるにはとてもいいわけです。
今の子供たちも調べればすぐ出ると思っていることが多いのが現状です。ただ解決できない問題もたくさんある。そんな問題に出会わせて、社会問題を考えていけると面白いのかもしれませんね。
本日はここまで!また次回の記事でお会いしましょう!
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