淡水

おいしいものと書くことが好き。 雪国で生まれて東京でひっそり生きてます。よしなに。

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おいしいものと書くことが好き。 雪国で生まれて東京でひっそり生きてます。よしなに。

最近の記事

1週間日記 |vol.3

11/18  さっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっむ。 え、なに?急に冬じゃんかやめろよ。とんでもない暴風雨に髪が湯婆婆がブチ切れたときみたいに逆立って暴れまくっている。実際ほんとに「なんでこんな中会社行かねばならんのじゃ」とキレながら出社したので、あの時頑張れば口から火が出たかもしれない。 11/19 いろいろある。人生いろいろ。ほんとに。 人には人の乳酸菌があるように、人には人の人生がある。良い悪いはないと思う。ただ自分として生まれたことを味わうためにわたしたち

    • 1週間日記 |vol.2

      11/11 右手に「これ食べて会社に行く」という意思のふかしたさつまいも。 左手に「これ飲んで会社休む」という意思の鎮痛剤。 結果、さつまいも食べながらお休みしますと連絡する。鎮痛剤2錠と小さな罪悪感を水で流し込む。痛むお腹をさすりながらわたしはまた眠りにつく。 11/22 上司vs上長 「あっ自分関係ないんで」顔で座るわたし。 この2人、お互いの火に油をぶち撒けるのがうますぎる。なので聞いているこちら側がいつもヒヤヒヤしてしまう。はてさて今日はどちらに軍配が上がるのだろう

      • かぼちゃプリンは突然に

         あ、今日はまだ残ってる。かぼちゃプリン。  最寄りのコンビニがチョコレートフェアを始めた。それまではどこも芋栗かぼちゃフェアで、どのスイーツも黄色や橙色をしていたのに、スイーツコーナーはがらりとシックなダークブラウンに変わった。  隅の方にかろうじてまだ芋栗かぼちゃの名残が残っており、肩身狭そうにわたしを待つかぼちゃプリンを誰に取られるわけでもないのに素早く手に取った。  プリンは『個人的好きなスイーツランキング』でも上位に入る。友達とカフェに入った際に、メニューに“プリ

        • まあるい天使

           わたしの住んでいる二階建てのマンションの踊り場には大きめの小窓が1つある。そこはちょうどお向かいのお宅の庭からぐおんと伸びる、大きな木の真正面あたりに位置する。  その日はよく晴れていたが風も強い日だった。仕事が忙しく、いつもより一本早い電車に乗らなければいけない日だったので、朝からドタバタしていた。  余裕ないなと心の重さを感じつつも振り払うように家を出ると、踊り場の小窓にはまっすぐ朝陽が差し込んでいる。そしてその光は向かいの木の葉と葉の間をすり抜け、まあるい木漏れ日を

          1週間日記 |vol.1

          11/4 「仕事行きたくないなあ」と言いながら部屋を掃除する。 「仕事行きたくないなあ」と言いながら洗濯物を畳む。 「仕事行きたくないなあ」と言いながら蒸したかぼちゃを潰す。 「仕事行きたくないなあ」と言いながらお風呂に浸かる。 「仕事行きたくないなあ」と言いながら眠りにつく。 そうして何事もなく生活はつづく。 11/5 わたしから語尾の「さん」が抜けたとき仏の顔は般若になるぞおい(短歌) キッチンペーパー4個セットとティッシュボックス5個セットを両手に持ち、トイレットペ

          1週間日記 |vol.1

          いつも、ちょっと消えたい

          なんにもおもしろくない 馬鹿ばっかり そう言わないとやってられない ときどきぽろっとこぼれそうになる わたしがほんとは さみしいってこと また450の牛乳を買った 腐らす 無能 「つまんねぇことばっかだよ」明け方の星に吐き出した「よ」が震える 大泣きしながら電車の中どうぞ腫れ物として扱ってくれ 希望をくれ希望を わたしでも生きてていいという希望をどうか わたしを角にぶつけて割れば「いつもちょっと消えたい」と産声 それでも今日も生きました愛すべきポンコツな私に花束

          いつも、ちょっと消えたい

          きらきら

          なんてことはないことを書く。 晴れた日に洗濯物がベランダでふわふわ風に吹かれているのを見ると、なんとなく嬉しい。着慣れた服もくたびれた靴下も、上京した時から使い続けているベテランタオルも、なんとなくきらきら光っているように見える。 布も人間も、さっぱり洗われて外の太陽光を浴びると、きらきらして見えるのかもしれない。

          きらきら

          雨が降るときは泣いているのかもしれない

           11月にも入り、体の先という先が冷えるような季節になった。起きたてほやほやでぼっさぼさの頭のまま、とりあえずポットに水を入れてお湯を沸かす。カーテンを開けると薄灰色の絵の具で描いた水彩画のような空で、雨も降っていた。今日はこういう天気がよかったから少し嬉しくなる。  コポコポと透明なグラスに白湯を注ぐ。そろそろ白湯専用のマグカップを買わないと。湯気を漂わせてグラスの上部が曇って、やがて細かい水滴になっていく。  白湯を飲むとじわんと胃から温まって気持ちがいい。椅子に座って

          雨が降るときは泣いているのかもしれない

          水曜日のカルボナーラ

          昨日から雨が降っていて、台風も近いから風も吹いていて天気のコンディションは最悪。おまけに前髪も暴れて最悪。仕事で疲れた体は無性に塩気と濃厚さを求めている。じゃあ今日はカルボナーラだ。疲れているから今日はコンビニ。だって天気が悪いとなんにもする気が起きないんだもの。 最近ファミマのカルボナーラがお気に入り。普段コンビニのご飯はあんまり食べないけれど、栄養より手軽さが勝っちゃう時もある。陳列棚にずらりと並ぶ食品たちを、真剣なのか選ぶものが決まってないのか色んな人たちがぼうっと眺

          水曜日のカルボナーラ

          希望

          いくつになっても叫び出したいほど苦しい夜がある いくつになっても人目をはばからずに泣きたくなる夜がある いくつになっても自分だけが不幸だと錯覚する夜がある いくつになってもあいつが死ぬほど憎い夜がある いくつになっても綺麗な言葉に耳を塞ぎたくなる夜がある いくつになっても自分を許せなくて嫌いになる夜がある いくつになっても満たされなくて愛を求める夜がある いくつになっても隣の芝生の青さに劣等感を覚える夜がある いくつになっても自分を痛めつけずにはいられないほど

          金木犀と歌う夜

          秋の夜は柔らかくて、優しくて、ちょっと寂しい。 街を歩けばどこからか金木犀の甘い匂いが風に乗って 家までの帰り道を遠回りさせようとする。 金木犀の匂いはなんとなく、 誰しもの乙女心をときめかす匂いをしているから 老若男女問わず恋がしたくなるのだろうか。 ・ ・ ・ さあっと吹く夜風に木々が揺れて甘い香りが踊る。 いつもの仕事からの帰り道がなんだか特別なものになったような気がして、歩くスピードを落としてみる。歩いているのはわたしだけで、周りには誰もいない。 昔、わたしの

          金木犀と歌う夜

          「ふと」に導かれて

          今日はなんだか「ふと」が多い。 頭の中に一瞬浮かんだただの思いつきが 今日はこんなにも私を動かす。 いつものめんどくさがりもすっかり大人しい。 ________________________ 彼が家に忘れていった充電器。 会社のデスクの上に置いておいてと頼まれたので袋に入れる。 ふと、「ちょっとした手紙を書いて入れておいたら喜ぶかな」なんて考えが一瞬頭の中を駆けていく。大体そういうのは、まあいいやで片付けちゃうのが私だけど、今日はなんとなくペンを握ってメモ紙にさらさら

          「ふと」に導かれて