羊男

過去デザイナー 現在ドランカー 卒          今日もどこかで泥酔中                         ★あの日に帰り道★                   僕のツレは、もれなく奇人である。彼らの心温まるドン引きエピソードを記憶を辿りながら紡ぎたい。(引)

羊男

過去デザイナー 現在ドランカー 卒          今日もどこかで泥酔中                         ★あの日に帰り道★                   僕のツレは、もれなく奇人である。彼らの心温まるドン引きエピソードを記憶を辿りながら紡ぎたい。(引)

最近の記事

■伊集院さんのはなし

伊集院静著「なぎさホテル」あとがきより 「今、思い出しても、なぜ、あの年、あの季節に逗子の海を歩いたのだろうか、と不思議な感慨を抱いてしまう。ほんの数分でも、あの海岸を歩く時刻がずれていれば、小説家になってもいなかったろうし、ひょっとしてもうこの世にいなかったかもしれない。人と人が出逢うということは奇妙この上ないと、この作品に関しては思ってしまう。人は人によってしか、その運命を授からないのだろう。」 僕が繰り返し読む作家は、伊集院静、村上春樹、安野モヨコだ。特に伊集院静のな

    • ■亜美(仮名)ちゃんのはなし

      僕は、大学時代、耳が綺麗な亜美(仮名)ちゃんという女性と付き合っていた。彼女は、美術サークルの後輩でキュートでスタイルも良く料理もプロ級だった。場外馬券売り場に行くと必ず痴漢にあっていたね。よく、木屋町、先斗町で呑んで、麻雀もビリヤードもしたよね。男の趣味にも付き合ってくれるし、一方で自分の意思をしっかり持っていて、バイリンガルだった。唯一の欠点は浮気症だったことだ。致命的やん(引) 兎に角、亜美ちゃんと過ごした日々は素敵で、大学時代を想い出すと幸せに感じるのは彼女がいたか

      • ■みゆき(仮名)ちゃんのはなし

        10年程前オフィスにて。 「羊さーん(泣)」突然、背後から今にも泣きそうな囁き声が…嫌な予感しかしない…振り返ると後輩女子みゆき(仮名)ちゃんが「助けてください…PCが大変なことになって…」と言う。 やれやれ。僕は、ヘルプデスクではないのだが… 彼女のデスクに行くと、デスクトップ背景に見たこともないハゲ親父の写真が全画面に広がっていた。(引) 「どーやったらこーなるんだっ笑笑…誰?このハゲ親父 笑」 爆笑しながら、僕は尋ねた。 「さぁ…誰なんでしょう?…エヘヘ」 エヘヘ

        • ■新田(仮名)くんのはなし episode 2

          10年程前。 僕は、深い眠りから目覚める。天井が高い?どこ、ここ?ビジネスホテル?昨日の出来事を思い出そうとするが、頭が猛烈に痛い。完全な二日酔いだ。気持ち悪い。 クラクラしながら室内を見渡す。広すぎる。隣にベッドもある。裸の人が寝てる… サイドテーブルのメガネをとり、もう一度隣のベッドを見る。裸の人は、女性ではなく、男性だった。やれやれ。また、おまえか…(引) 会社の後輩、新田(仮名)くんが裸で眠っている。案の定、以上だ。泥酔→訳の分からないビジネスホテルで目覚める→

          ■新田(仮名)くんのはなし episode 1

          10年程前、僕はとてもお洒落なビジネスホテルで目を覚ました。 「どこ?」昨日の記憶が全くない。(引) 「え、ツイン?」隣のベッドに目をやると、裸の人が眠っているのだ。ドラマとかでたまにある裸の女の人が横にいる、あれか?あれなのか? 隣にいる裸の人をよく見ると、男だった。さらによく見ると会社の後輩だった。そういえば、昨日、こいつと呑んでたっけ? 「おいっ!新田(仮名)くん!」取り敢えず、起こしてみる。 「んーー....ん、あ、羊さん、おはようございます...」 「ど

          ■新田(仮名)くんのはなし episode 1

          ■関(仮名)のはなし

          「マシンだよ。」 この言葉は、20年以上が経過した今も鮮烈に覚えている。君は、あの年の出来事を覚えているだろうか。 僕たちは、大学で4回目の春を迎えていた。 就職活動の1997年。 あの4月、僕と関(仮名)は、例年通り何の講義を選択するか打ち合わせる為、大学近くの茶店で落ち合ったんだ。 僕は、関が来る前に茶店に入り、ハンバーグランチを1つ注文した。いつも通り、デイリースポーツを隅々まで読みながら、美味しいハンバーグを食べる。 僕が食後のアイスコーヒーを飲みながら、日刊

          ■関(仮名)のはなし

          ■圭介(仮名)のはなし

          誰かが落とした麦わら帽子が、波にさらわれて夏が終わろうとしていた。圭介(仮名)、覚えているかあの夏の終わりを。 僕は、あの日、いつもと同じ時刻に鞍馬口の茶店に向かっていたんだ。同志社の食堂は、人が多すぎて大嫌いだ。なので、いつも同じ茶店の同じランチを独りで食べる。大学の喧騒から離れた至福の時間。 ただ、その日は、人生史上最も哀しんでいた。いや、怒ってた?兎に角、情緒不安定で鞍馬口をトボトボと歩いてたんだ。 行きつけの茶店横のレンタルビデオ店から小太りのデカイ男が出てきた

          ■圭介(仮名)のはなし

          ■浅倉(仮名)のはなし

          僕は、あの日のことを非常に完全に鮮明に覚えている。忘れたことは一度もない。たぶん君は、微塵も覚えてないんだろうけど。 あの日の東京は、いつも以上に暑い夏だったな、浅倉(仮名)。いや、桜舞い散る季節だったか。まー関係ねーけど。僕は、君と再会したんだ。 浅倉は、僕の大学時代(京都)の友人で、現在、❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎というバンドでミュージシャンとして活躍している。❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎❤︎はロックとフラメンコが融合したスペイン人も驚愕の情熱的な音楽を奏でるバンドだ。メジャー

          ■浅倉(仮名)のはなし

          ■上杉(仮名)のはなし

          上杉、君と僕が輝いていたあの時代、毎晩、朝まで語り明かしたな。(麻雀) あの夏は、世界中のジャングルの虎が全て溶けてバターになってしまうくらい暑かったよな。 君は、村上春樹をこよなく愛していたな。 君の彼女は、ノルウェーの森の直子に似ていた。現実世界に直子がいたら、彼女みたいな人なんだろう。知らんけど。当時、僕はカティーサークを呑みながら、ふとそう思ったんだ。 僕は、何を思ったか、四半世紀振りに当時の手紙、写真、映画のパンフ、カセットテープなど想い出の整理をしたんだ。そ

          ■上杉(仮名)のはなし