■みゆき(仮名)ちゃんのはなし
10年程前オフィスにて。
「羊さーん(泣)」突然、背後から今にも泣きそうな囁き声が…嫌な予感しかしない…振り返ると後輩女子みゆき(仮名)ちゃんが「助けてください…PCが大変なことになって…」と言う。
やれやれ。僕は、ヘルプデスクではないのだが…
彼女のデスクに行くと、デスクトップ背景に見たこともないハゲ親父の写真が全画面に広がっていた。(引)
「どーやったらこーなるんだっ笑笑…誰?このハゲ親父 笑」
爆笑しながら、僕は尋ねた。
「さぁ…誰なんでしょう?…エヘヘ」
エヘヘじゃねーし(引)
みゆきちゃんは一見、凛とした清楚な美人さんなんだが、本性はハイパー天然おっちょこちょい女子だ。もう会社に5年以上在籍しているので皆に天然はバレている。
数年後、会社の先輩が結婚することになり、10人ほどでお祝いの食事会をすることになった。僕とみゆきちゃんも参加した。
食事会は、素敵な一軒家のフグ屋で開催され、座敷に通された。みゆきちゃんは、マッキントッシュのコートにタイトニット、ロングスカートという出で立ちで、やや遅れてやってきた。やはり黙っていれば清楚な凛とした美人さんだ。
僕は、コートをハンガーに掛けようとしているみゆきちゃんに尋ねた。
「入社して何年になるんだっけ?」
「うーんと…7、8年ですかね。」
「へぇ…もうそんなになるんやねー。全然、変わらへんよね、みゆきちゃん。スタイルもいいし。」
「そんなことないですよー。着痩せするタイプなんで。エヘヘ。」
と言いながらみゆきちゃんは腰を下ろした。
その瞬間、「パーン!」という音と共に、みゆきちゃんのスカートのボタンが飛んでいった。
みゆきゃんは、エヘヘと笑いながらボタンを拾う。
エヘヘじゃねーし(引)