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アートと表現の学校へ行ってみた ②初日

初日は朝からザワザワソワソワして落ち着かなかった。

講義は夜の7時から、都内某所。

講義のある日は、夕方5時までバイトがあり、その後電車に乗って移動しなくてはならない。

初めての場所なので、電車の乗り換えを何度も確認した。

バイトが終わって、家に帰って、自転車で最寄駅まで行って、そこから電車に乗って…

時間的に結構ギリギリの行程だ。

飼っている犬の散歩に行っていたら、間に合わなくなってしまうという感じだ。

犬の散歩は帰ってからだ。

後の予定が詰まっている、ギリギリだという気持ちのせいか、朝からバイト中もなんだか追われるような気持ちで余裕がなく、落ち着かなかった。

おまけに朝から雨が降っていた。

バイトが終わり、目的地に向かう途中、降車駅が近づくにつれ、緊張が高まってきた。

どのくらいの広さのところで、他にどんな人が来るのだろう?年齢、性別、職業なんかはどんな人たちなのか…?

いろいろ考えていた。

目的地に着くと、誘ってくれた知人と待ち合わせて、お茶をして、タバコを一服してから教室へ向かった。

教室には生徒さんがもう揃っていた。

全部で15人くらい。

男女ほぼ半々で、年齢層は高め、事前のアンケートに基づいた自己紹介シートが配られた。

記入された年齢を見て、周りを見渡すと、自分は最年少の部類に入りそうだ。

年上の中だと少し落ち着くところもあったり、逆に同世代や若い人がいなくて残念な気持ちも同時にあった。

講義が始まる。

講座の概要について講師の方が説明する。

その後は、自己紹介だった。

出た、最も苦手で苦痛な時間。

大勢の前で自分のことをしゃべる。

すごく苦手で緊張する。

何を話せばいいかすごく考えてしまう。

しかも、今の自分、フリーランスといっても成り立っていなくて、バイトもしていたり、仕事もイラストレーターと名乗っていいのかどうだかわからない。。

自分のことを知らない人の前で話すのは苦手で苦痛だ。

他の人が自己紹介しているときも、気もそぞろで自分が何を話せばいいかずっと考えていた。

自己紹介は、机の上に並べられた、たくさんの絵の中から、自分の気に入った絵を選び、どこが気に入ったのか話すということとセットで行われた。

これは面白かった。

並べれた絵は、ゴッホやピカソなどの名画から、障害者アートまで入り乱れていた。

こういう、感性感覚で行うことは楽しいし得意だった。

1番初めに目についた、カラフルな図形が描かれたカードを手に取った。

後で聞くと、障害者施設の人が描いた絵らしい。

自分の番が来た。

緊張で卒倒しそうになった。

何を話したかよく覚えていない。

途中、知人が助け舟を出してくれた。

自分が絵を描いていることもあり、先生の前で、そのことを言うのが恥ずかしいというか、変に意識してしまった。

自分の番が終わると、解放されほっと安堵したとともに、どっと疲れが出た。

次は、みんなで少しずつ、大きな紙にクレヨンで絵を描くというワークだった。

これもまた、みんなで作るとなると、無邪気に思うように描くというより、他の人の線や塗りに影響されたり、それを塗り替えたり邪魔しないようにといろいろ考えてしまった。

慣れない授業、バイト終わり、慣れない電車、だんだん疲れてきていた。

次は出された絵を見て、思いついたこと感じたことをしゃべる場だった。

ピカソの青の時代という時に描かれた絵が出てきた。

いいなと思った。

好きな絵だった。

でも、自分の意見や感じたことを求められたり指名されてないのに挙式して発表することはなかった。

だんだん元気もなくなってきていた、疲れが酷かった。

最後は絵を見て感じたことを、紙粘土で表現するというワークだった。

初めて扱う紙粘土は感触が気持ちよかった。

人の中で緊張し、疲労がピークだったので、黙々と自分の世界に入れるのが嬉しかった。

ただ、絵を見てそれを立体で表現するのが難しく、またあまりお題としてモチベーションの湧く絵でなかった。

もういいや、紙粘土で遊んでいよう、自分の世界に入って作業していようと思った。

そんなこんなで、初日の授業が終わった。

とにかく疲れたというのが一番。

楽しむ余裕みたいなのはなかった。

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