日本人に合った呼吸と骨盤の位置
初めに、この記事は日本人の呼吸術(著:中村明一)を読んで面白いと思った内容を自分の知見と合わせて纏めたものなので、もし密息についての詳細な方法を知りたい方はそちらの本を御一読下さい。
最近は一般的に良い姿勢と言うと、何故か真っ直ぐが良いと考えている方がたくさんおられますが、実はこれはかなり危険な間違いです。
そもそも理想的な背骨はS字にカーブしているものなので、それを無理に無くして真っ直ぐにするとクッション性やバネが失われ身体の負担が増えるだけで無く、「真っ直ぐにしようと力んでいる」(張力の使えない)状態が続くので筋膜や筋肉の緊張差が生まれるのでギックリ腰等怪我のリスクも高まります。
僕が臨床でよく使う言葉を書かせて頂くと「本当に正しい姿勢ならば身体が楽」で、正しい姿勢が辛いと感じるのは「正しいと思い込んでる間違えた姿勢をしているから」なのです。
更に言うと西洋の文化が入って来てから西洋医学的に正しい姿勢こそが理想と思い込み、「日本人的な骨格を無視して」無理にその正しいとされる姿勢に嵌め込もうとしているのでは無いかと感じております。
以前の記事でも書きましたので詳細は省かせて頂きますが、有名な例で言いますと西洋の人間は骨盤が前傾気味で東洋の人間は骨盤が後傾気味(前傾度が強い順に黒人>白人>我々)、それに伴い得意な動きも全く変わって来ます。
<骨盤前傾と後傾のどちらが絶対的に正しいと言うものでは無く、用途によっての使い分けが重要>です、ここからは日本人に合った呼吸法と骨盤の位置について紹介して行きます。
●一般的な呼吸法の種類とメリット&デメリット
1.胸式呼吸
○吸うのがとても早い
☓呼吸量は少なく、身体のブレも非常に大きい
2.逆腹式呼吸
○内蔵の動きを活発にする効果がある
☓換気目的の呼吸としては非常に不合理
3.腹式呼呼吸
○吐く時に力をいれやすく、力を調整しやすい
☓吸うのに時間がかかる、呼吸量は普通、身体のブレがあり静かに身体を一定に保てない
4.密息(≒腹圧呼吸≒横隔膜下げっぱなし呼吸)
○呼吸量が多く、短時間でも吸える、呼吸で身体が上下しない為に姿勢安定しブレない
☓密息単独ではクレッシェンド発声が苦手
※密息は呼気時にお腹が膨らんでいるので、力を抜くだけで横隔膜が深く落ち瞬時に吸気出来る
呼吸法としては4の<密息>が一番お勧めです。
内容はスタンフォード大学推薦の腹圧呼吸やJIDAIさん発案の横隔膜下げっぱなし呼吸とほぼ同じですが、僕は密息が一番説明が分かり易いく効果も高く感じました。
●密息のメリット詳しく
★精神安定(非常に顕著)、疲労減少(換気量増大&脱力の為)、自律神経バランス正常化&空間や間の調整力向上(呼吸数減少&呼吸時体動減少&精神安定の為)、五感や感性が鋭くなる(受信機の余計なノイズ減少の為/巧緻動作向上)、重心安定
密息の主なメリットは上記で、個人的には特に精神安定効果を非常に強く感じており、この呼吸法に変えてからイライラする事や精神的な動揺をする機会が格段に減りました。
この呼吸法を正しく行う為には<骨盤後傾位>にさせる必要があります。
冒頭に書きました背筋を伸ばした姿勢(骨盤前傾位)にしますと、腹部が狭くなる→横隔膜が深く下がらなくなる→大量の空気が吸えないとなり密息は出来なくなりますが、<骨盤前傾位は安定感が無い分自由度は非常に高い>ので決して前傾が悪と言う訳ではありません。
●骨盤(後傾)角度による違い
・骨盤角度深い
呼吸量増大、低音の声が出易く響く、重心が下がり(尾骨の下)身体と心の安定感が増す、舞踊や空手に見られる様な日本人的な姿勢
・骨盤角度浅い
呼吸量減少、高音の声が出易く響く、重心上がり(両足の間)身体と心の自由度が増す、バレエやボクシングに見られる様な西洋的な姿勢
※外観も気にしながら密息の利点も活かすなら(限界を100%とすると)一般的には骨盤を10%程後傾させるのが良く、高音を響かせるなら40%程で更に倒すとより吸気量は増え低温が響くようになるが、色々試して自分に合った%の位置を探すのが一番良い。
●密息のやり方ポイント
骨盤を後傾させ、常にお腹が膨らんだ(張った)状態で猫背にはせず息を吐く、吸気は吐ききった姿勢から(お腹は膨らんだまま)肩や胸が力まず動かずの状態で脱力出来れば自然と横隔膜が落ちて瞬間的に大きく吸えます。
取り敢えず今回はこんな感じで、日本人古来の呼吸法密息と骨盤後傾位(猫背では無い)のメリットを紹介して見ました。
記事更新は不定期ですが、また自分が勉強してみて興味深かったことや特筆するレベルで効果感じたものと出会ったら更新して行こうと思います(๑•﹏•)b
何れ開業予定で、その時はワークショップもしますので、もし来て頂けましたら何でもお答えしますので良ければご来院下さい。