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第四章 春ヶ原と精霊たちの心 真っ暗な自室で、風花は正座をしていた。 目を閉じて、…
あの日から今日まで、飛雨は尽力してくれている。 わざわざ、風花の家に通ってくれる。 …
「夏澄は時間がある限り、春ヶ原を見護っているよ。今日は二時間くらいだったかな」 「なにか…
風花はあれから、夏澄とスーフィアに会っていない。家に来るのは飛雨だけだ。 最近の夏澄…
「風花、まだ起きてるのか?」 兄の星夜の声だった。 風花には月夜と星夜の二人の兄がい…
「もう観ないよ。眠るね」 「ああ、おやすみ」 優しく風花を見る。その時、星夜の部屋から…
風花は顔を仰向けていた。 空を雲がいくつも流れていく。 今日はよく晴れていた。 遮るものが少ない山頂から見る空は、広く大きい。 遠くから風花の名が呼ばれた。早く来るようにと急かされる。 風花はあわてて夏澄たちの後を追った。 「おい、目を瞑って歩くのやめろよ」 追いついたところで、飛雨の鋭い声が飛ぶ。 いわれて始めて気づき、風花は目を開けた。 「ごめんね。早く霊力が欲しくて。瞑想が癖になっていた」 「瞑想って、お前……」 「今日
眠い。もうだめ。 風花は教科書で顔を隠し、目を閉じた。 閉じた途端、意識が薄れてい…
やっと休み時間になった。 風花は机に顔を伏せて、目を閉じる。 「この頃おかしいよー。…
「あー、すっきりした。ありがとうね。香夜乃、ひろあ」 上履きから靴に履き替え、風花は両…
「風ちゃん、ほんと楽しそうだね。いいなあ」 ひろあが上目遣いで風花を見る。 「それ、想…
空はよく晴れていた。 まぶしいくらいにきれいな青だ。 ひろあたちと別れた風花は、い…
夏澄と逢うのは一週間振りだった。 久しぶりに見る夏澄はまぶしくて、風花は目を細める。…
「そういえば、飛雨とスーフィアさんがいないね」 風花は辺りを見まわした。 「飛雨は人が霊力を持つ方法を、調べに行ってる。スーフィアはまだ春ヶ原だよ」 「なにかあったの?」 「そうじゃないよ。だいじょうぶ。にわとりのビー玉がスーフィアになついて、離してくれなかったんだ。一緒に遊んでいるよ」 「そういえば、初めてビー玉と会ったときも、ビー玉はスーフィアさんから離れなかったね」 「あのとき、スーフィアに救われたんだろうね」 春ヶ原に行ったときのことが、なつかしく思