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水の空の物語 第五章 春ヶ原の光と影

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夏澄は春ヶ原を護りたいと願います。 霊力がない風花ですが、なんとか夏澄の役に立ちたいと願います。
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#両片想い

水の空の物語 第5章 第1話

第五章 春ヶ原の光と影  ガラス戸から、涼やかな夜風が流れ込んでくる。  かすかに若葉の…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第5章 第3話

 でも、夏澄くんが危険な目に会うなんて……。   風花は壁にもたれた。  落ち着きなく、…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第5章 第5話

「外出禁止……」  枕をぽんぽんと、ボールのように弄びながら、飛雨がつぶやいた。 「風花…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第5章 第6話

「行、きたい……ー」  風花は肩を落とし、ひざに顔を押しつけた。  行きたい。  門限な…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第5章 第7話

「じゃあね、飛雨くん。今日もありがとう。また明日ね」  訓練が終わり、ガラス戸から出て行…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第5章 第10話

 うまく、やれますように。  水色をした朝の空気の中、風花は霊泉への長い坂道を登っていた…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第5章 第11話

『風花、一歩踏み出してみて』  夏澄の声は続く。  いわれた通りにすると、周りの空間が歪んだ。  気がつくと、水の幕で覆われた空間の中にいた。霊泉の結界だ。 「来てくれてありがとう」  結界の中で、夏澄は飛雨と並んで立っていた。 「ううん、わたしのほうこそ、呼んでくれてありがとう。スーフィアさんは?」 「春ヶ原に優月を迎えに行っているよ」  笑顔でいた夏澄は、ふいにふしぎそうな顔をした。 「風花、緊張しているの?」 「うん、まあ……。春ヶ原のこと、うまくでき

水の空の物語 第5章 第12話

 優しい……。  夏澄にもらった言葉を、心の中で繰り返した。  わらいを堪えようとしたが…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第5章 第13話

「だいじょうぶ? 優月」  隣に立つスーフィアが、不安気にする。  こんなときでも、優月…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第5章 第14話

『いきなり、ごめんなさい。みんな』  優月と話をつづけながら、スーフィアは風花たちと心の…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第5章 第15話

『ついさっきのこと……、私と優月が、もうすぐ藤原の御泉に着くってときのことよ』  花を想…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第5章 第16話

『それは……。ごめんなさい、できなかったわ』 『霊泉に来たとき、優月が弱っていたのはだか…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第5章 第17話

 風花は、夏澄たちみんなと並んで、大きな大きな樹を見上げていた。  樹は力強く枝を伸ばし…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第5章 第18話

 蒼天樹は水の精霊の国の中央に生えている、国で一番大きな樹だそうだ。  楡の樹に似ているが、大きさはその三倍くらいある。  天に届きそうだから蒼天樹というらしい。  広がっている葉のところどころに、小さな光の粒が輝いていた。蛍の光に似ている。  樹に降った雨の粒が、葉に留まり光を放っているのだ。  雨の名は星水雨というらしい。水の精霊の国の樹だけに降る雨だ。  星水雨は、樹を護る雨だ。  樹の陽差しが届きにくい場所に、光を運ぶ手助けをしている。  そうすれば日