水の空の物語 第5章 第14話
『いきなり、ごめんなさい。みんな』
優月と話をつづけながら、スーフィアは風花たちと心の声で話しかけてきた。
『ねえ、みんな。私の話聞いてくれる? でも、こうやって話していることは、優月に気取られないようにして欲しいの』
風花はちらっと夏澄たちを見た。
夏澄と飛雨に、戸惑う様子はなかった。
頭の中で話しているとは感じさせない振る舞いで、優月と輪を描くようにしてすわった
『私ね、春ヶ原への憎しみの理由が分かったかもしれない』
『原因って?』
夏澄の強張った声がした。
優月との談笑を続けながら、夏澄たちは頭の中に声を送りあう。
同時に二つのことをするなど、風花にはとても無理だ。
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