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水の空の物語 第六章 春ヶ原に射すひかり

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優月の様子を見に、風花は藤原の御泉へと急ぎます。
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#両片想い

水の空の物語 第6章 第3話

 夏澄たちの話では、昨日、太陽がすっかり落ちたころ、夏澄たちは藤原の御泉に帰ってきたそう…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第6章 第5話

『夏澄は優月に霊力をもどしているの。でも、優月には黙っていて』  スーフィアの声だ。 『…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第6章 第7話

「ねえ、スーフィア、風花。草花はどうするかな? 俺じゃあ、細かいことは分からなくて」  …

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第6章 第9話

 優月は夏澄に頭を下げて、向きをかえる。  そのとき、枯れ葉を含んだ風が吹いた。 優月が…

近江結衣
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水の空の物語 第6章 第11話

 まぶたを閉じていた夏澄は、たまにその瞳を開ける。  公園内に視線を巡らせる。  だが、…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第6章 第13話

 優月の木は泉のほとりにそびえている。目を凝らすと、木はかすかに霊力の光を放っていた。 …

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第6章 第15話

「おいで、ビー玉、竹とんぼ」  草花は小さな声でつぶやく。寝言のようだ。 「今日は泉で水浴びだよ。優月と立貴も一緒に遊ぼうね」  うれしげだった。楽しい夢を見ているようだ。まるで、今荒れている春ヶ原のことを知らないようだった。 「ねえ、立貴くん。草花ちゃんは風が起きる前から眠っていたの?」  立貴は黙ってうなずく。  なぜだろう。  でも、おかげで草花ちゃんは、春ヶ原を傷つけたのが優月さんだとは気づいていない。 「優月さんが眠らせたの?」  立貴は首を振り、自

水の空の物語 第6章 第16話

 風花は泉の前にもどり、そっと、優月の木の前に立った。  優月の木を見上げる。 「ねえ、…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第6章 第17話

 十二個目……。  風花は机に頬杖をつき、空を眺めていた。  休み時間で教室内はざわめい…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第6章 第18話

「どうしたの? ほんとこのごろ変だよ」 「すごーい。風ちゃん、難しいこと考えるね。大人だ…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第6章 第19話

……夢の裏には厳しい現実がある。  また、飛雨の言葉が頭に浮かんだ。風花は息をつめて体を…

近江結衣
1年前
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水の空の問題 第6章 第20話

 ひとつ、ふたつ、みっつ……。  藤原の霊泉近くの大木の上に、ひとつの影があった。  フ…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第6章 第21話

 桃色の大地と、流れる風に舞う花びら。青い泉と小川。  春ヶ原に来るのはまだ三度目だが、…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第6章 第22話

「お礼よ、風花」  スーフィアの肩掛けは軽いのに暖かい。 「今回、風花は本当にがんばってくれたもの。風花の気持ち、すごくうれしかったのよ」 「霊力がないから、たいしたことはできなくて……」 「一生懸命な気持ちが伝わってきたから、それがうれしかったの。ねえ、風花。こうするとね……」  こうすると、春ヶ原の幸せを感じ取れるわと、スーフィアは瞳を閉じる。  風花も真似をしてみた。  目を閉じて、辺りの様子を探る。  まず、風に乗る花の香りがした。  草花のわらい声