馬と猫とゴルフ

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亡きトウメイを追いかけて(1)

初めての馬券 2024年11月10日 今から半世紀も前の話。 私の両親は競馬をしなかった。 ところがある時から茶の間で毎週日曜日の昼間、テレビで競馬中継を観るようになった。 当時私はまだ子どもだったけれど、歳の離れた兄がいて、彼がバイト先で覚えた競馬を家に持ち込んだのだ。両親は競馬という賭けごとに難色を示すことなく、すんなり受け入れ、兄と一緒に楽しみだした。 私も日曜日には両親、兄と一緒に競馬中継を観ていた。タニノムーティエは母のお気に入り。父はアカネテンリュウ。兄はいろい

    • 乗馬教室19 小風(こかぜ)の訃報

      メイショウドンタク 連続4回目 2024年11月1日 今日のレッスンは3時半から。雨だ。 三木ホーストレックに到着するころにはクルマのワイパーを最速にしても間に合わないほどの豪雨になっていた。 それでも厩舎の中はほとんどのお部屋が空(から)で、ラピュタの姿もなかった。 洗い場に行ったら、レッスン後のお手入れをしてもらっているお馬さんたちがずらりと並んでいて、雨でもレッスンを休む人はいないんだなあと、感心した。(私も休んでないけど) その中にラピュタがいた。ラピュタはレッスン

      • 乗馬教室18 隣りのモンテ

        メイショウドンタク 連続3回目 2024年10月25日 ラピュタの脚の腫れはまだ残っている。こんなに長引くとは思わなかった。最初のころにくらべると痛みはマシになっているそうだけれど、レッスン復帰にはまだ時間がかかりそう、とのこと。 お願いだから命だけは助かって・・・・。 馬房でラピュタを見ているうちにうるうるしてきた。 なんと、今日もドンタクだった。連続3回だ。 ドンタクにムクチつけて一緒に洗い場に行くと、隣りのブースで見慣れない女の人がひとりぽつんと立っていた。 そこに

        • 乗馬教室17 新たなる目標

          メイショウドンタク 2024年10月22日 ラピュタのお部屋に行ってみた。まだ脚は腫れている。一時はよくなりかけたのに、その後、一進一退をくりかえしているうちに移動とかもあって、また悪くなり、なかなか治らない。 「まだ脚痛いのん?」 「うん。俺って、体弱いのかなあ・・・・」 「運が悪かっただけだと思うよ。ラピュタは賢いし優しい子だから、大好き。時間かかってもいいんで、必ずレッスンに戻ってきて。待ってるから」 「うん」 馬房の小窓越しにラピュタとこんな会話をした。 今日のレ

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        記事

          乗馬教室16 長身の男前

          メイショウドンタク 2006年2月28日生まれ 2024年10月18日 国体が終り、馴染みのお馬さんたちが無事に三木ホーストレックに帰ってきた。 ラピュタの足はまだ治っていない。誰が悪いのでもない。フレグモーネにかかるのは、不運としか言いようがないそうだ。早期発見早期治療にもかかわらず、ラピュタの場合は、たったの一晩で発症そして重傷化してしまったそうだ。すでに2か月以上がたっている。完治は難しいかもしれないと、先生は言った。お願いだから、命だけは助かって・・・・。祈るしかな

          乗馬教室16 長身の男前

          乗馬教室15 働き者の紅一点

          トライアングル 2009年生まれの女の子 2024年10月1日 もうすぐ国体の会場になるので、ここの子はみんな国体に参加するお馬さんのためにお部屋を空けてあげないといけない。だから、しばらく神戸の奥の方の一般人が入れない厩舎に集団疎開。 そんなわけで、明日から17日までレッスンはお休み。 今日もモンテに違いないと思って行ったら、なんと、トライアングルだった。顔の真ん中にきれいな逆三角形の白い星が入っているので、トライアングルという名前なんだって。愛称はトラちゃん。 乗馬教

          乗馬教室15 働き者の紅一点

          乗馬教室14 根性漢(おとこ)

          モンテクリスエス 2024年9月18日 真夏の暑さだ。今年の気候はおかしい、などと、毎年そんなことを言うのだろうか。早く涼しくなってほしい。 ラピュタの右脚の腫れはまだ残っている。時間かかっても、どうかどうか完治して復帰できますように。 今日もモンテ。完全に私の相棒だ。 お部屋に行くと、いつになくモンテはすんなり立ち上がって、すんなりムクチを着けさせてくれた。 さい先いいねえ。 洗い場に行き、先生に助けてもらいながら、いつもの手順で馬装をした。そして、トーラクもすんなり着

          乗馬教室14 根性漢(おとこ)

          乗馬教室13 時計読める

          モンテクリスエス 休養中のラピュタのお部屋にお見舞いに行った。フレグモーネは簡単に治る病気ではないのだろうか。ゆっくり治してね。 ほかのお馬さんたちにも一通りのご挨拶をして回った。 そして、やっほー!、今日もモンテ。 いつも通り体中おがだらけになってごろんしていたモンテ。 「モンテ、おはよう」 なかなか立ち上がってくれないので、寝転がったままムクチをつけようとしたら、 「こんな態勢でムクチを着けるなんて、おまえには無理やろ」と言いながら、モンテはゆっくり立ち上がってくれた。

          乗馬教室13 時計読める

          炭治郎とさくら2 レッグペルテス

          レッグペルテス 2021年12月 2021年10月 予防接種 譲渡から1年が経ったので、3種ワクチンを打ってもらいに行った。3種って、何なのか、私は分かっていないので、この際、去年譲渡してもらったときの接種証明書を見た。 猫ウィルス性鼻気管炎、猫カリシ感染症、猫汎白血球減少症、 と書かれていた。何のことかさっぱり分からないけれど、打ってもらった。 その年の暮れ、タンジロウに異変が起きた。 びっこを引いている。 3日間ほど様子を見ていたが少しもマシにならないので、動物病院に

          炭治郎とさくら2 レッグペルテス

          炭治郎とさくら1 猫の譲渡会

          猫の譲渡会 2020年9月 息子たちが無事に社会人になり、家から出ていき、結婚もして、それぞれ家庭を作ってくれた。これでもう安心だ。 私も歳をとり人生が寂しくなってきたので、猫を飼うことにした。 ノルウェージャンフォレストという種類の猫を2匹買うつもりだった。1匹よりも2匹の方が猫同士で遊べると思ったからだ。1匹40万円くらいだから、2匹で80万円。寂しい気持ちが癒されるのならば、決して高い買い物ではないと、納得した。 いきなりいちげん客でペットショップに行くのもよくないと

          炭治郎とさくら1 猫の譲渡会

          乗馬教室12 大失敗やらかした

          モンテクリスエス  大失敗やらかした レッスン前、受付でラピュタのフレグモーネの具合を尋ねたら、順調に回復していて、少しずつ走れるようになってきたけれど、お仕事復帰にはまだ少し時間がかかる、とのこと。 お部屋で休養中のラピュのところに行ってみた。左右の後ろ脚の太さはさほどの差もなくなっていた。とりあえずほっとした。 さて、今日のレッスンもモンテだ。完全に専属化しているみたい。もちろんモンテが好きなので文句はない。 なぜモンテが好きなのかというと、あの「デカい馬体」と「けだ

          乗馬教室12 大失敗やらかした

          乗馬教室11 フレグモーネ

          コスモラピュタ 「フレグモーネ」 2024年8月24日 先週はお盆で道が混むだろうから、その週はレッスンはパスした。それで今週はがんばって2回行くことにした。 私のもう一人のお気に入りのコスモラピュタが、フレグモーネという細菌性の病気のため、お部屋で休んでいるということを受付で聞いて知った。 フレグモーネは競走馬にはそんなにも珍しくない化膿性炎症で目に見えないくらい小さな傷から細菌が入り、あっという間に足が腫れあがるんだって。別名「傷腫れ」。すごく痛いらしい。 心配なのでさ

          乗馬教室11 フレグモーネ

          乗馬教室10 いろいろがんばった

          モンテクリスエス  いろいろがんばった たいていはモンテが相手をしてくれる。だから大好き。ほかの子と言えば、たまにコスモラピュタなんだけど、真面目で優しいラピュタも大好き。 モンテクリスエスは、2005年2月21日生まれ。満19歳だ。 51回も競走に出て、2憶3千万を稼いだらしいんだけど、競馬をしない私は、競馬界での常識や相場を知らない。戦績云々はともかく、普通は6歳くらいで引退するものだと思っていた私から見れば、8歳になっても引退しないで、障害に挑戦したというタフさにび

          乗馬教室10 いろいろがんばった

          8.「日本むかし話」宝物

          「日本むかし話」宝物 爺さんと婆さんが寂しい山里でぽつんと2人で暮らしていました。 2人とも優しい心の持ち主で、子どもが大好きだったのですが、いくらがんばっても、かわいそうなことに子宝に恵まれませんでした。 夫は寂しさを紛らそうと、面白い話をしたり、ヘン顔をして見せたりして、一生懸命妻を笑わせようとがんばりました。そして妻は妻で、いつもおいしいご飯を作って夫の身の回りの世話をし、貧乏ながらも2人はいたわりあい仲良く暮らしてきました。 ある日、柴刈りの帰り道、爺さんは罠にかか

          8.「日本むかし話」宝物

          乗馬教室9 進め&止まれ

          コスモラピュタ  進め&止まれ これまでは先生が調馬索というロープや鞭を使ったり、舌鼓(ぜっこ)という合図をお馬に送ったり話しかけたりしてお馬さんを動かしてくれていたけれど、今回は自分で発進と停止をする練習だ。 膝の力は抜いて、内ももとふくらはぎとかかとでお馬の体を挟んで、圧をかけたら、馬は動き出す。簡単に言うけど、それ、難しすぎる。 そして止めるときは手綱を手前に引く。それも腕の力だけで引くのではなく、上半身も使うんだって。その方がお馬に指令が伝わりやすくて、こちらもバラ

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          7.「幸福の王子」誰も死なせない

          「幸福の王子」誰も死なせない 美しさと凛々しさを兼ね備え、それでいてあどけなさも残す王子は、国中の人気者でしたが、15歳にして流行り病いで死んでしまいました。 民衆の悲しみは半端なものではなく、途方にくれ、仕事もせず、泣き暮していました。 その様子を知った王は、民の心を少しでも立ち直らせることができるものならばと、王子の像を広場の真ん中につくりました。 高い台座の上に立つ美少年の王子像は民衆を元気づけ、やがては人々の心のよりどころとなり、町の誇りとなり、国の繁栄のシンボルと

          7.「幸福の王子」誰も死なせない