日本を滅ぼす研究腐敗――不正が不正でなくなるとき(17) 3章 「著作権裁判」の落とし穴 1
示談交渉は決裂したが、私はまだ楽観していた。ここまで露骨な盗用なのだ。それほど困難はなく勝てるだろう。そう楽観した。ただ著作権侵害訴訟は勝っても賠償額が低いと聞いていた。弁護士に委任すれば費用のほうが持ち出しになる。勝っても金銭的には損をする。記事削除を潜り込ませた解決案はそうしたこちらの足元をみてきたと思った。ならばと、こちらにも考えがあった。本人訴訟だ。これなら費用は最小限ですむ。仮に10万円とか20万円の賠償額しか認められなくても金銭的に損することはない。示談交渉を委