日本を滅ぼす研究腐敗――不正が不正でなくなるとき(22) 4章 「奨学金問題対策全国会議」を訴える 1

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 20年ほど住んだ杉並区阿佐ヶ谷のアパートが取り壊しになり、文京区に引っ越した。家賃がたかくなったので原稿をこれまでより多く書こうとおもっていたが、結局上告の書面にかかりきりの1ヶ月だった。理由書を出し終え、一段落して気持ちは落ち着いた。ひとつ高い壁を越えたような達成感があった。
 2022年6月。快晴の気持ちのよい昼下り。白山通りを自転車で走りながら、ふと頭に浮かんだ。この3年大内氏の盗用のことばかり考えてきた。だが、じつは一番不快だったのは、2019年の7月の出来事、奨学金対策会議から入会拒否をされたことではなかったか。大内教授の盗用問題も、もとはといえば入会拒否からはじまった。
 フリーとして東京で仕事をはじめて、信頼を得るべくサラ金問題に挑み、名誉棄損裁判も切り抜けた。まさかこんな目に遭おうとは想像だにしていなかった。まるで邪魔もの扱いである。入会拒否がなければこれほど大内氏の盗用にこだわることもなかったかもしれない。
 心に棘がささったような気持ちだったことに気がついた。

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