日本を滅ぼす研究腐敗――不正が不正でなくなるとき(16) 2章 「O教授の“丸写し“発覚する」5
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それでも展望のみえる出来事もあった。中京大への告発と並行して朝日新聞出版に連絡をしていた。同社はO教授の問題の著作『奨学金が日本を滅ぼす』の出版元である。2020年7月30日、同社のU氏から電話で返信があった。「私が正式に窓口になって対応していきたいというご挨拶をさしあげます」と丁寧な口調でU氏はあいさつをし、説明をはじめた。以下はそのときのやりとりである。
U いまのステータスとしてはですね、まず社内で、部長や取締役を含めた、コンプライアンス担当の取締役もまじえたですね、ご指摘の点がやはり多くの問題をはらんでいるというふうに認識しておりますので、慎重にどういう法的な問題をはらんでいるのか慎重に精査しているというのが一点とですね。あと一応執筆したOさんがですね、どうしてこういう原稿になったか経緯を確認しないと正式な三宅さんへの回答もちょっとできないと思ったので、O氏の執筆の経過を確認しているところで、執筆の資料とともに、どうしてこうした原稿になったのか、経緯の確認が来週にちょっとずれ込むことになって、ただ、いま現段階ではこういうステータスにある、私がこれから対応させていただくということでお電話差し上げました。
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